中国の地方政府、減税で財政悪化 景気対策の効果低下も

[北京 1日 ロイター] – ロイターの分析によると、中国政府が景気対策の一環で3000億ドル規模の減税を導入したことを受けて、地方政府の財政が悪化している。

地方政府の財政が悪化すれば、インフラ事業の実施が難しくなり、地元の企業や雇用に悪影響が出る恐れがある。最終的には中央政府の景気対策の効果が低下することも考えられる。

上半期の歳入を公表した22の省・直轄市のうち、10地域では歳入の伸びが前年同期比で鈍化。7地域では歳入が減少した。

北京のシンクタンク、華夏新供給経済学研究院の賈康院長は「景気減速と減税が、地方政府の財政を圧迫する主因になっている」と分析。

「(中央政府の)今年の財政赤字目標は国内総生産(GDP)比2.8%だが、来年は若干の引き上げが必要になるのか、見極める必要がある」と述べた。

地方政府の財政は、特に経済発展の遅れている西部で悪化している。重慶市の歳入が7.8%減。貴州省の5.4%減、青海省の3.7%減が続いた。

重慶市は535億元(78億ドル)規模の鉄道事業に着手している。貴州省も高速鉄道の建設を計画。青海省は空港の拡張を目指している。

同じく空港の拡張を計画している甘粛省の歳入は2%減。同省政府によると、減税がなければ歳入は4.3%増加していた可能性があるという。

青海省、貴州省、甘粛省の歳入は、前年同期には2ケタ増加していた。

 

<債務が重しに>

 

アナリストによると、一部の地方政府は税収を債務返済に充てており、景気対策の効果が表れにくくなっている。

地方政府の負債総額は6月末時点で20兆5500億元。この他に「隠れ債務」があるとみられる。

財政省のデータによると、上半期の全国の税収は前年同期比0.9%増にとどまった。国有資産の売却や国有企業の利益など、税収以外の歳入は21.4%増えた。

金融誌・財新によると、地方政府は資金不足を受けて、工場や土地などの遊休資産を売却。前年度予算の残りも活用しているという。

経済成長率を公表した25省・直轄市のうち、20地域では上半期の経済成長率が第1・四半期との比較で鈍化した。特に北西部で景気の悪化が目立った。

交通銀行のシニアエコノミスト、Tang Jianwei氏は「インフラ投資に回復が見られない。これは地方政務の債務圧力が関係している。地方政府には投資を強化するための資金がない」と述べた。

アナリストによると、景気が減速した場合、地方政府は第4・四半期に追加の債券発行を認められる可能性がある。

また財政省当局者は、財政事情が特に厳しい地方政府への移転支出を増やす方針も示している。

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