原油先物下落、サウジ巡る観測で引け後に下げ縮小

[ヒューストン 7日 ロイター] – 米国時間の原油先物は5%弱下落し、7カ月ぶりの安値を付けた。米中貿易戦争の激化で原油需要が減退するとの懸念が出ていることに加え、米原油在庫が予想に反して増加したことが背景。

ただ、サウジアラビアが他の産油国と原油安阻止に向けた選択肢を検討中との観測が流れ、清算後の取引で下げ幅を縮小した。

清算値は北海ブレント先物<LCOc1>が2.71ドル(4.6%)安の1バレル=56.23ドル。1月初旬以来の安値を更新した。4月に付けた年初来高値からは24.5%低い水準。米WTI原油先物<CLc1>は2.54ドル(4.7%)安の51.09ドル。

引け後の取引では両先物とも清算値を1ドル強上回って推移。米東部夏時間午後4時29分(日本時間8日午前5時29分)時点で北海ブレント先物が1バレル=57.42ドル、米WTI原油先物は52.35ドル。

トレーダーらによると、サウジ当局者らが原油安阻止へあらゆる選択肢を検討中で、価格下落の原因は過剰供給でなく景気減速不安と認識していると伝わったという。

貿易戦争を巡る懸念が重しとなり原油先物は朝方から下落していたが、米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)の週間統計で8月2日までの週の原油在庫が240万バレル増と、280万バレル減少するとのアナリスト予想に反して増加したことで一段と下落した。

トランプ米大統領が先週、対中追加関税措置の発動を発表したことを受け、北海ブレント先物は先週来約14%下落。トラディション・エナジー(コネチカット州)の市場調査担当バイスプレジデント、ジーン・マクギリアン氏は「貿易戦争により経済成長が阻害されるとの見方が出ていることが重しとなっている」と指摘。「年内の需要動向が市場で最大の懸念事項」と述べた。

*内容を追加しました。

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