香港国際空港で全便欠航、中国「抗議活動にテロの兆し」

[香港 12日 ロイター] – 香港国際空港は12日、デモ活動に伴う混乱を理由に、発着する全ての便が欠航した。2カ月に及ぶ反政府抗議活動について中国当局は、「テロ」の兆しが見られ始めたとの認識を示した。

空港当局は13日午前6時の運航再開に向け取り組んでいると説明した。中国の航空当局は、大湾区「グレーターベイエリア」内各空港の移動能力を高め、本土・香港便の障害を回避する方針を明らかにした。

地元警察によると、一部の活動家らが出発エリアに移り、混乱を引き起こしたという。だが、抗議活動の参加者らは到着ロビーを4日間、平穏に占拠しており、空港閉鎖の直接の引き金は不明だ。警察は、抗議者の排除に動くかについて明らかにしなかった。

香港マカオ事務弁公室の報道官は北京で「香港は重大な岐路にある。抗議活動参加者らはここ数日、警察への攻撃に極めて危険な手段を頻繁に用いている。テロリズムの芽が出つつあり重大な犯罪行為だ」と指摘した。

中国はテロリズムの脅威に触れることで、新疆やチベットで強硬手段を正当化してきた。

一部抗議活動が公式見解でテロリズムと表現されたことについて、香港の法律専門家らは広範な反テロ法適用や権力行使につながる可能性を指摘する。

中国共産党機関紙・人民日報傘下の有力国際情報紙、環球時報は、中国人民武装警察部隊が、香港に近い深センで訓練のため招集されたと伝えた。

香港では、容疑者の中国本土への引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正を巡り大規模デモが続いており、デモ参加者と警察との衝突も発生している。

週末には、警察が地下鉄駅でデモ参加者に向けて至近距離で催涙ガスやゴム弾を発射。地下鉄駅で催涙ガスが仕様されるのは初めて。香港島のほか、九龍、新界地区各所で催涙ガスが使用され、こうした衝突で女性1人が目に負傷を負ったことがデモの引き金になったという。

*内容を追加しました。

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