ピットブルを殺処分から救え!4500㎞を走破したトラック運転手

たった1匹のを救うため4500㎞を陸路で激走したトラック運転手をご存知ですか?

彼の名はマリオさん、アメリカ・ジョージア州に住む大のピットブル好きです。3匹のピットブルを飼っていましたが一番の愛犬『キング』が死んでしまい失意に沈んでいました。

そんな中、ニューヨークの動物シェルターが2歳のピットブル『ヒッコリー』の里親を探しているとの情報が。満杯のシェルターで殺処分の順番を待つヒッコリー、その写真を見ると驚いたことに死んだキングにそっくりでした。

「こいつを助けるぞ!」瞬時にそう決めたマリオさんでしたが、そこには大きな問題が。マリオさんはその時、トラック配送の仕事でカリフォルニアにいたのです。アメリカ西海岸カリフォルニアから東海岸ニューヨークまでは遠く、その距離なんと4500㎞。殺処分のカウントダウンは既に始まっており、ヒッコリーを救うには遠いだけでなく時間もありませんでした。

マリオさんはすぐに行動に移します。ニューヨークに配送の仕事で行けるよう手はずを整えシェルターに電話、自分が行くまでヒッコリーの殺処分を延ばして欲しい、と嘆願したのです。

そしてマリオさんの大移動が始まりました。ヒッコリーを救いたい一心で昼夜を問わずトラックを走らせニューヨークを目指しました。
間に合わないのではないかと不安に駆られ、毎日シェルターに確認の電話をしましたが、それでも気が気ではありません。6日間の大激走の末、やっとシェルターに到着、ヒッコリーの犬小屋へ飛んで行きました。

「ヒッコリーは俺を見た瞬間、ドアに向かって走ってきたんだ。俺は『待たせたな、家に帰るぞ』って声をかけたんだ。やつは俺が来るのを待ち構えていたんだよ」とマリオさんは振り返ります。

マリオさんの家族に加わったヒッコリー、マリオさんの飼っている2匹のピットブルとも、まだ小さいマリオさんの孫とも、何の問題もなくすぐに打ち解けました。

いまやトラックの助手席はヒッコリーの定位置。マリオさんが配送の仕事へ行く時はいつも一緒、最高のパートナーです。

マリオさんはトラックの仕事1マイル(約1600m)につき1ドル(約106円)のお金を貯め、老後はピットブルのシェルターを開こうと考えています。

「ピットブルは見た目から怖い犬だって誤解されているけど、本当はとても愛らしい犬なんだ。ピットブルのために何かしたいんだよ」とマリオさんは語ります。

Photo courtesy of Welcome to Hickory’s world

1匹の犬の命を救うため、日本からタイ・バンコクまでと同じ距離をトラックで走り抜いたマリオさん。犬の命も人間同様尊い命なんだということを私たちに教えてくれたのかもしれません。

(大紀元日本ウェブ編集部)