トランプ氏、中東産石油は米に必要ないとツイート 実績と矛盾

[ワシントン 16日 ロイター] – トランプ米大統領は16日、サウジアラビアの石油施設に対する攻撃に関する一連のツイートのなかで、米国は石油生産量で世界のトップに躍り出たため、中東産原油は必要がなくなったとの見方を示した。

トランプ氏は「米国はエネルギーの純輸出国で世界最大のエネルギー生産国だ。中東産石油&ガスは必要としておらず、中東に米国のタンカーはほとんどない。それでも同盟国を助ける!」と投稿。

ただ、米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)のデータによると、確かに米国は過去約10年間のシェールブームのおかげで石油生産量が飛躍的に拡大したが、昨年の中東湾岸地域からの原油・石油製品の輸入はなお高水準だった。

米シンクタンクのアトランティック・カウンシル・グローバル・エナジー・センターの上級フェロー、ジャンフランソワ・セズネ氏は電話会見で「米国は今もまだかなりの量を輸入しており、世界市場の影響を全く受けないわけではない」と指摘した。

サウジの国営石油会社サウジアラムコの石油施設2カ所が14日に受けた攻撃について、米国はイランが背後にいると非難。一方、イランは関与を否定している。

サウジは世界最大の石油輸出国で輸出量は日量700万バレル程度に上る。米国は生産量が同1200万バレルだが、消費量はこれを上回る2000万バレルで、不足分を輸入する必要がある。不足分の大半はカナダからの輸入で補っているが、サウジやイラクなどの湾岸諸国からも一定量を輸入している。サウジアラムコが50%出資する米最大の製油所、モティバ・エンタープライゼズなど、国内の一部製油所が中東産原油を優先的に調達しているからだ。

EIAによると、2018年に米国が中東湾岸地域から輸入した原油および石油製品は月平均4800万バレルだった。10年前からは3分の1程度減少したが、1995─96年とほとんど変わらない水準だ。

アトランティック・カウンシルの上級フェロー、フィリップ・コーネル氏はトランプ氏のツイートは「ナンセンス」だと一蹴した上で、「物事を誇張するのが好きなのだろう」と述べた。

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