欧州・中東での大規模サイバー攻撃、トルコ関与の可能性=関係筋

[ロンドン 27日 ロイター] – 欧州および中東地域で発生した大規模なサイバー攻撃に、トルコ政府が関与していた疑いがあるとみられることが分かった。複数の欧米安全保障当局者が明らかにした。

ロイターがインターネットの公開記録を確認したところによると、サイバー攻撃を受けたのは政府省庁、大使館、セキュリティーサービス、企業など30以上の組織・団体。キプロス政府およびギリシャ政府の電子メールサービスやイラク政府の国家安全保障担当補佐官なども含まれるという。

サイバー攻撃には対象組織のウェブサイトのトラフィック傍受が含まれ、ハッカーが政府機関などのネットワークに不正アクセスできる可能性もあるという。

米英当局者は、このサイバー攻撃はトルコの利益のために行われ、国家が支援するサイバースペースでのスパイ活動とみられる特徴があると指摘。ただ、攻撃を行った個人または団体は不明とした。

トルコ内務省はコメントを控えた。トルコ高官は同件に関する直接的な言及は避けたが、トルコ自体も頻繁にサイバー攻撃の対象になっているとした。

キプロス政府は声明で「関連機関がサイバー攻撃を迅速に認識し、阻止に動いた」とした上で、「国家安全保障上の理由により詳細なコメントは控える」とした。

ギリシャ政府当局者は政府の電子メールシステムが不正アクセスを受けた証拠はないと述べた。イラク政府はコメント要請に応じていない。

インターネットの公開記録によると、キプロス、ギリシャ、イラクがサイバー攻撃を受けたのは全て2018年末から19年初めにかけて。当局者や民間のサイバーセキュリティー調査によると、広範なサイバー攻撃は続いているという。

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