中国武漢市は1月23日から、武漢発高速鉄道などの運行を停止している。写真は2月9日撮影(Getty Images)

新型肺炎、第1四半期の世界経済30兆円以上損失=米メディア

米ニュースチャンネル「フォックス・ビジネス」は2月8日、中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大によって、今年初めに世界経済が「マヒする可能性がある」と警告した。

報道によると、英経済調査会社キャピタル・エコノミクスの経済学者、サイモン・マクアダム(Simon MacAdam)氏は7日、顧客向けのレポートにおいて、新型コロナウイルスのまん延で「世界経済は今年の第1四半期(1~3月期)において、2800億ドル(約30兆7516億円)以上の損失を被るだろう」との見解を示した。また、同氏は「われわれが正しければ、これは世界のGDPが2009年以来初めて四半期ごとに成長しないことを意味する」とした。

新型コロナウイルスによる肺炎の感染者や死亡者が急増しているのを受けて、米金融大手JPモルガン・チェースはこのほど、第1四半期の中国国内総生産(GDP)成長率の見通しを、感染拡大前の数値から5ポイント下方修正し、1%にした。

マクドナルド、ウォルトディズニー、スターバックスなど数十社の米企業は中国での業務を全部、または一部を停止した。中国当局は日本のトヨタ自動車、ホンダなどの生産操業再開は2月17日以降に延期されると報じた。

一方、米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)2月6日付は、操業停止は中国国内の中小企業4300万社にとって「死を待つことを意味する」と指摘した。一部の経営者は、「家賃、融資と利息の返済、社員の賃金支払いなどの支出で、すぐにも営業や操業を再開しなければ、会社はもう倒産するしかない」と訴えた。

VOAは、中国の飲食、航空、観光、娯楽、物流、小売りなど業界の収益は「断崖絶壁から飛び降りたように急落している」とした。

中国メディア「捜狐網」などによると、一部の企業は休業を3月15日まで延長した。

(翻訳編集・張哲)

 

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