夏の観光シーズンも各地で閑散 景気低迷で旅行支出伸び悩む

2026/08/01
更新: 2026/08/01

景気低迷が続くなか、例年なら夏の旅行シーズンを迎えている各地で、観光業者から「観光客が少ない」「観光地が閑散としている」との声が相次いでいる。

広西チワン族自治区陽朔県で民宿を経営する男性は7月30日、大紀元の取材に対し、次のように語った。

「今年の観光業は本当に厳しい。20室あるうち、宿泊客がいるのは2室だけ。訪れる観光客が少なく、道路を走る車もほとんどない。7月は本来なら繁忙期で、去年は部屋が取れないほどだったのに、今年は閑散としている。理由は2つある。雨が多いことと、株式市場が低迷し、景気が悪いことだ」

7月29日には、チベット自治区メトク県の民宿経営者も取材に対し、「今は民宿を経営する人はみんな赤字だ」と語った。

「今年の宿泊料金は昨年の半分だ。夏休み中でも一般的な客室は200元台で、閑散期には150元前後になる。観光客も以前より少なくなっている」

浙江省杭州市の西湖で働く観光ガイドは、次のように話した。

「昨年は西湖周辺に多くの人がいたが、今年は少なくなっている。今では遊覧船に乗るために並ぶ必要もない。タクシー運転手も、今年は観光客が大幅に減ったと言っている。以前の杭州東駅では乗客がタクシーを待っていたが、今はタクシーが乗客を待っている。観光客が減れば、私たちの収入も減る。現在、観光客が集まるのは主に午前11時までと午後3時以降だ」

浙江省温州市の雁蕩山で働くガイドも、「昨年とは比べものにならないほど観光客が少ない」と訴えた。

「7月初めから少ないと感じていた。中旬になれば回復するかもしれないと思っていたが、変わらなかった。7月末になってもこの状況で、観光地には人がいない。昨日案内した観光客は2人だけだった」

湖北省恩施トゥチャ族ミャオ族自治州の旅行愛好家は、今年旅行に出かける人は昨年より大幅に減っており、主な理由は経済的な余裕がないためだと語った。

「数日前に貴州省の梵浄山へ行ったが、非常に閑散としていた。昨年とは大違い。旅行好きの友人も、今年はどこにも出かけず、家で過ごしている」

インターネット上では、観光業者が苦しい現状を訴える動画が相次いで投稿されている。

北京市内で活動するツアーガイドは天安門広場から動画を投稿し、「今年の北京観光は、過去10年で最も厳しい状況だ」と述べた。天安門広場も非常に閑散としているという。

このツアーガイドは、観光業界で十数年働いている仲間と、今年の市況についてWeChatで話したところ、全員が同じような状況を訴えていたと明かした。

「観光客にとって、旅行に出かけること自体が大きな負担になっている。観光業に携わる私たちも非常に苦しい状況だ。どの業界も本当に厳しくなっている」

これに対し、ネット上では「今を大切にした方がいい。これが今後10年で最も良い年になるかもしれない」とのコメントも寄せられた。

新疆ウイグル自治区の観光業界関係者は動画で、今年の観光市場について「急激に落ち込み、対応する間もなかった」と語った。

甘粛省敦煌市のガイドは7月10日、鳴沙山・月牙泉から動画を投稿した。

「今日は7月10日。観光客を連れて鳴沙山・月牙泉に来た。皆さん、見てください。今年の夏休みはどうなってしまうのか。観光客がいない。ラクダも休むことができるので、ラクダにとっては良いことかもしれない」

湖南省張家界市でも7月19日、ガイドが観光客の少なさを訴えた。

「午前8時49分。これが今年の張家界の繁忙期です。観光客の姿は数人しか見当たらない」

海南省三亜市でも状況は低調だ。ホテル業界の関係者は、夏休みの需要拡大を期待していたものの、実際には客足が伸びていないと話した。

「陶磁器の都」として知られる江西省景徳鎮市では、店舗経営者が「7月は大赤字になるかもしれない」と語った。

甘粛省張掖市のガイドは、丹霞口鎮で観光客を公演に案内した際の様子を動画で紹介した。以前は駐車場が車で埋め尽くされていたが、この日は5台しか止まっていなかったという。

上海市の外灘から新疆ウイグル自治区、青海省、各地の歴史ある観光地まで、本来なら夏の繁忙期を迎えているはずの場所が、現在は人影もまばらで閑散としている。

一部の地域では一定数の観光客が訪れているものの、消費額は大幅に減少している。多くの観光客が出費を極力抑える節約旅行を選んでおり、飲食店やホテルでは、売り上げが経費を下回る状態が続いている。

あるブロガーは、今年の夏休みは、SNS上で旅行の話題を見かけることが少なくなったと指摘した。

別のブロガーは、「夏休みに入った後の方が、街を歩く人が普段より少なくなっている。例年なら夏休みになると大学生が帰省し、商業施設や飲食店は人であふれ、消費も活発になる。しかし、すでに7月11日なのに、本来なら街中にいるはずの大学生をほとんど見かけない。本当に不思議だ」と投稿した。

事情に詳しい関係者によると、大学生が夏休みに入ったにもかかわらず、街で姿を見かけない理由は主に2つあるという。

1つ目は、大学生の就職が難しく、卒業が近い学生が早い時期から就職活動を始めていることだ。2つ目は、大学1、2年生だけでなく、高校生も夏休みのアルバイトをしていることだ。多くの学生が、親からの経済的支援だけに頼れなくなっているという。

今年に入り、消費者の購買力は低下し続けている。

当局が公表した2026年第1四半期の統計によると、国内旅行者数は前年同期比6.0%増の延べ約19億100万人だった。一方、国内旅行の総支出は1兆8600億元で、増加率は同2.9%にとどまった。

旅行者数が増加した一方で、1人当たりの支出は減少しており、旅行者数の伸びが消費拡大に結び付いていない状況がうかがえる。

上半期を通じても消費環境は弱く、国内需要の不足が続いている。

共産党当局は経済の先行きは明るいとする宣伝を繰り返している。一方、こうした公式統計については、実際の経済状況はさらに厳しいとの見方も出ている。

唐兵
顧暁華