中国の賃金総額はGDPのわずか8%? アフリカ諸国を大きく下回る

2026/09/10
更新: 2026/09/10

中国では8月、物価上昇がやや加速した。専門家は、国際原油や非鉄金属などの価格上昇が主な要因で、国内消費の回復を示すものではないと指摘している。

一方、台湾出身の経済学者、郎咸平氏はかつて、中国の賃金総額がGDPに占める割合はわずか8%にすぎないとする見方を示し、国民に十分な所得が行き渡っていないと問題提起した。世界第2位のGDPを持つ中国で、経済成長の果実はどこに配分されているのか。

中国共産党(中共)国家統計局が9月9日に発表した最新統計によると、8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.8%上昇し、7月の0.5%を上回った。生産者物価指数(PPI)も同3.8%上昇し、7月の3.5%を上回った。

食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比1%上昇し、7月の0.9%から小幅に上昇した。

業種別では、非鉄金属の製錬・加工価格が前年同月比20.8%上昇した。石油・石炭などの燃料加工業は11.1%、石油・天然ガス採掘業は10.5%上昇した。

ロイター通信は、8月の物価上昇について、中東で戦闘が続くなか、国際原油や非鉄金属の価格が上昇した影響が大きいと指摘した。

つまり、国内消費の回復によるものというより、エネルギーや原材料価格の上昇が企業の生産コストを押し上げた影響が大きい。

実際、中国国内の需要は依然として弱い。専門家は、コアインフレ率も比較的低い水準にとどまっており、今後の物価動向は、国内需要が本格的に回復するかどうかが鍵になるとみている。

不動産低迷も内需の重荷

内需の重荷となっているのが、不動産市場の低迷だ。

中共の公式統計によると、今年1~7月の地方政府の土地使用権譲渡収入は前年同期比30.8%減少した。同期間の全国の不動産開発投資も19.2%減少した。

国有不動産企業は民間企業より低いコストで資金を調達できるため、市場では、新たな融資環境によって不動産業界の再編がさらに進み、中小の民間デベロッパーへの圧力が一段と強まるとの見方も出ている。

郎咸平氏は以前、動画の中で、各国の賃金総額がGDPに占める割合をもとに、国民所得の水準を比較した。

アメリカは58%、イギリスは56%、日本は53%でヨーロッパ先進国はおおむね50~60%だという。メキシコは33%、ベネズエラは31%。アジアでは韓国が44%、タイとフィリピンが28%、イランとトルコが25%となっている。

さらに、経済発展が遅れているアフリカ諸国でも、この割合は約42%だとし、中国の8%は極めて低い水準だと指摘した。

郎氏は、中国が世界第2位のGDPを持ちながら、国民が受け取る所得の割合が低いとして、「残る92%はどこへ行ったのか」と問いかけた。

郎氏は文章の中で、その行き先として、国家主導の投資、国際戦略の拡張、国防、地方政府の運営、政府が推進する産業への支援、党・政府幹部の腐敗などを挙げ、「最後に一般国民へ残りが回る」と分析している。