【紀元曙光】2020年2月14日

もはや医療現場だけのことではない。あまりに不条理な事態が、まさにウイルスのごとく中国全土に拡大している。多くの人々は、もはや現政権がその任に堪えられないことに気づいているだろう。

▼法輪功学習者への20年を超える迫害、ウイグル人やチベット人への弾圧と民族浄化など、重大な人権問題が存在するにもかかわらず、中国政府はそれを認めず、かえって米国の中国に対する不当な「内政干渉」だと突っぱねてきた。

▼しかし、今回の病禍は「内政干渉」の言い訳が絶対にできない。中国共産党の強権統治70年のなかで、彼らにしてみれば最大の危機に直面しているだろう。なにしろ相手が見えないので、お得意の「人民の敵づくり」が効かないからだ。

▼病原となった新型コロナウイルスの出所がどこなのか。その究極的な真相は、まだ見えない。ネット上には「中国が開発中の化学兵器から漏れた」などと、さまざまな憶測が飛ぶ。そんな風説に小欄は関心を持たないが、はっきりしているのは「いずれ全てが明らかになる」ということだ。腐った大木が倒れる、その前後には、である。

▼封鎖された武漢市では、新鮮な野菜が極端に不足している。そんな中、救援物資として無償で提供された野菜が途中で抜き取られ、高値の「商品」としてスーパーで売られているという。

▼そうした無数の不条理を適切に解決する行政力を、現政権は全く持たない。せいぜい警察や城管(じょうかん)という治安維持のために雇った黒服のゴロツキ部隊を動員して、力で押さえ込むだけだ。それはもう先が短いことの証左なのだが。   

 

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