カンボジアのシアヌークビル港に停泊している大型クルーズ船。2月18日撮影(GettyImages)

中国依存のカンボジア 新型肺炎でシアヌークビルのカジノは「空っぽ」に

中国化が進むカンポジア。なかでも、南部の湾岸都市シアヌークビルでは、中国資本が広く浸透し、中国人が溢れていた。しかし、現在、新型コロナウイルスの影響を受けて、街から中国語が聞こえなくなった。

55歳のトゥクトゥク(電動三輪車のタクシー)ドライバーであるクワン・サムヘイさんは、路上で乗客を探すが、「中国人観光客はもうひろえない」とロイターに語った。「街は以前より穏やかで整然としている。でも、私のような仕事には悪影響だ」と語った。

東南アジアの他のどの都市よりも、専制体制を敷くカンボジアは、南シナ海にも近く、地政学的な利点から、中国共産党は積極的に投資してきた。タイランド湾に面すシアヌークビルは、一帯一路の重要な港湾および産業プロジェクトを抱える。

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