ブラジル中銀、コロナ対応で利下げ 早期の追加利下げ示唆せず

[ブラジリア 18日 ロイター] – ブラジル中央銀行は18日、政策金利を4.25%から50ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の3.75%とした。新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響を抑制するのが狙い。ただ、追加利下げを急ぐ姿勢は示唆せず、政府による一段の経済改革の必要性を強調した。

利下げ決定は金融政策委員会の全会一致。

委員会は、声明で「足元の危機に対応するため、金融政策や為替レート、金融安定に関する手段を引き続き講じる」と表明した。

金融市場の動揺に対応するため、中銀は為替介入を強めているほか、財務省と協調して国債市場への流動性供給に乗り出している。

委員会は一方で、政府の経済改革に対する懐疑的な見方が浮上すれば、リスクプレミアムが上昇する恐れがあると指摘。「こうした状況下では、追加金融緩和は逆効果となりかねず、金融状況のひっ迫につながる可能性がある」との見方を示した。

エコノミストはブラジルの成長率見通しを引き下げ、リセッション(景気後退)を見込んでいる。ゴールドマン・サックスとJPモルガンは18日、ブラジルの今年の成長率をそれぞれマイナス0.9%、マイナス1.0%と予想した。

バンコ・ファトールの首席エコノミスト、ホセ・フランシスコ・ゴンサルベス氏はさらに弱気で、最大3.5%のマイナス成長を予想。「中銀は後手に回っており、追加利下げが必要になる」とし、「金利が3.75%でインフレ率が3.5%なら、(実質)金利はプラスだ。経済活動がこれほど急速に落ち込む局面では、それは非常に好ましくない」と語った。

ブラジルの主要株価指数は今月に入り、すでに35%急落。通貨レアルはほぼ連日、最安値を更新し、1ドル=5.00レアルより大幅なレアル安水準に下落している。[nL4N2BB543]

中銀は声明で、為替レートを1ドル=4.75レアルと想定した場合の予測モデルで、今年のインフレ率は3.0%、来年は3.6%になる見通しとした。中銀の公式目標は今年が4.0%、来年が3.75%。

*内容を追加しました。

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