英EUの離脱後交渉に遅れ、新型ウイルス対応で

[ブリュッセル 19日 ロイター] – 英国の欧州連合(EU)離脱後の激変緩和のために設けた12月末までの移行期間について、延長を求める声が欧州で高まっている。英国とEUが年末までに今後の関係で合意することはもともと難しかったが、新型コロナウイルスの感染拡大で欧州では一部の国で移動制限が導入されており、交渉がさらに難航している。

今週予定されていた協議は新型ウイルスの影響で中止された。EUで英国の離脱協議を担当するバルニエ首席交渉官はこの日、新型ウイルスの検査で陽性反応があったと明らかにした。

バルニエ氏が英国の離脱交渉担当者のフロスト氏と最後に会ったのは、3月の1週目に設けた第1回会合。それ以降、新型ウイルスの状況は欧州で悪化した。死者数が増え、一部の国が移動制限を設ける中、各国経済は打撃を受けている。

年末までに妥結できるわけがないと非公式に発言するEUの外交官や当局者が増えている。ただ、政府は公にこうした発言をすることを控えている。

欧州政策センター(EPC)のフェビアン・ズーレック氏は「医療の面で短期的にも長期的にも大きな課題に直面しているほか、経済的な課題もあり、緊急で対策を取る必要がある状況下ではEUと英国の交渉を成功裏に終える政治的な時間も余力も足りない」と指摘する。「英国とEUがともに深刻な課題に直面する中、唯一の適切な答えは移行期間の延長で英EU離脱のマイナスの影響を遅らせることだ」とし、移行期間を1年間延ばし、21年末までとすることを提案した。

ジョンソン英首相は延長の選択肢を排除している。英国の現行法では離脱執行が定められており、ジョンソン氏は18日、「法律が制定されている。それを変えるつもりはない」と明言。新型ウイルス対応のため、現在は英EU離脱について日常レベルで話し合っていないとも語った。

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