ECB総裁、1回限りの「コロナ債」発行の検討要請 独など反対

[ブリュッセル 25日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、24日夜に開かれたユーロ圏財務相(ユーログループ)のビデオ会議で、新型コロナウイルス対策で必要な資金を調達するために1回限りの「コロナ債」の発行について真剣に検討するよう要請した。2人の当局者が明らかにした。

同会議に関与している当局者の1人は「総裁は(ユーロ圏の救済基金である)欧州安定メカニズム(ESM)の与信枠の活用の次に、われわれがコロナ債について真剣に考えるべきだと発言した。ユーログループは、現段階では債務の相互負担については議論していない」と述べた。

2人目の当局者も、ラガルド総裁がコロナ債発行について提案したことを確認した。しかし、この提案にはドイツやオランダのほか、北欧諸国が反対したという。これらの国々は従来から、いかなる共同債の発行にも反対してきている。

この当局者は「総裁は『1回限り』の発行にすべきだと言明した」とした上で、「いつもの国々が反対したが、地中海クラブ(南欧諸国)以外にもたくさんの賛成意見があった」と明らかにした。

ラガルド総裁は発行規模や発行に関する法整備などには言及しなかったという。

ユーロ圏財務相は24日、新型コロナの感染拡大による経済的打撃に対応するため、ESMの与信枠を活用する案を支持した。加盟国政府に国内総生産(GDP)の2%に相当する額の予防的与信枠の申請を認める。4100億ユーロ規模の融資能力を持つESMの活用に踏み切るかどうかは26日に予定されるユーロ圏首脳会議で最終決定する。

ラガルド総裁はESMの活用案について、保証としては良いが、ECBが先に打ち出した新たな資産買い取り制度である7500億ユーロの「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」の方が市場の沈静化には一層弾力的に運用できるとの考えを示したという。

*内容を追加しました。

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