これ以上隔離すべきでない、雇用・貧困層に打撃=ブラジル大統領

[ブラジリア/リオデジャネイロ 30日 ロイター] – ブラジルのボルソナロ大統領は30日、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかけるための隔離措置について、雇用が失われ、損害が貧困層に偏っているとして、すでに実施されている以上の隔離を強制してはならないとの考えを示した。

同大統領はテレビ局「ヘジ・グローボ」に対し、州政府などが実施している自主隔離やその他の新型コロナ対策を批判。マンデッタ保健相との意見対立があらためて鮮明になった。

マンデッタ保健相は30日、記者会見で、感染者数の急増に現行の医療体制では対応できないとし、国民に自宅待機を呼び掛けた。[nL4N2BN1O6]

ボルソナロ大統領は「すでに実施されている以上の隔離は強制してはならない」と述べ、人々に最もよく聞かれる質問は、いつ仕事に戻れるかということだと付け加えた。

同大統領はこの日、これより先、新型コロナ感染者が多く出ている州の知事らを「雇用キラー」と揶揄(やゆ)し、新型コロナ危機が社会的混乱につながれば、民主主義がリスクにさらされると警告し、知事らとのあつれきがさらに深まった。

ブラジルではこれまでに新型コロナ感染者が4579人確認されており、159人が死亡している。

ブラジルの有力政治家らは財政ルールの適用を免除される「戦時予算」のような緊急対策を策定したい意向だが、多くの政治家が、新型コロナがもたらす健康リスクを軽視し過ぎているとしてボルソナロ大統領を批判している。

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