ナバロ氏は会見で、今回の中共肺炎について「私たちが学んだことの1つは、グローバル・サプライチェーンに危険なほど依存しすぎているということだ」と述べた。中国河北省邯鄲市の工場でマスクを生産している女性従業員。2020年2月28日撮影(AFP/Getty Images)

医薬品など主要戦略物資、グローバルサプライチェーンに二度と頼らない=米大統領補佐官ナバロ氏

米国大統領補佐官で通商担当のピーター・ナバロ氏は4月3日、ホワイトハウスで毎日開かれる中共肺炎(新型コロナウイルス肺炎)に関する記者会見で、薬や医薬品など、国の戦略物質の国内生産回帰を目指すとの意思を表明した。

ナバロ氏は会見で、ウイルス肺炎流行の危機により「私たちが学んだことの1つは、グローバル・サプライチェーンに危険なほど依存しすぎているということだ」と述べ、自国での製造と供給率を高める努力を呼び掛けた。著名な経済評論家でもあるナバロ氏は、製造業・通商政策担当大統領補佐官であり通商製造業政策局の局長でもある。

ナバロ氏は、ウイルス肺炎の危機後は、国防総省などの連邦政府のすべての部門が、医療品のグローバルサプライチェーンの危機になっても、米国は医薬品、医療用品、機器を確保可能にするべきだと述べた。

「現在、50カ国以上が既に何らかの輸出制限をかけている。つまり、どんなに多くの条約を結んでも、どんなに多くの同盟関係を築いても、どんなに多くの電話会談をしても、『必要なものが手に入らない』という危機に陥る可能性は免れない」と同氏は述べた。

3月21日、ナバロ氏はFOXニュースの寄稿文で、政府と米国企業双方は結束して、ウイルスに対応していると報告した。ナバロ氏は、医療機器大手や輸送会社などの企業幹部と電話をして、マスクや手指消毒液、人工呼吸器やバイタルサイン測定機器から検査キット、手袋と防護スーツなど製造および供給関係企業40社と調整している。また、国防総省や財務省、保健福祉省などと連携を行っているとした。

いっぽう、一部の米国企業が「第二次世界大戦時にそうであったように、危機の最中に必需品を買いだめし暴利を貪ろうとするものがいる」と指摘し、不正取引や闇市場の取り締まりも同時に行うとした。また「危機から旨味を得ようと考える者は、トランプ政権から徹底的な報復を受けることになるだろう」と警告した。

中国共産党政府は2月、全国でマスクの生産拡大を推進した。2月29日までの中国のマスク生産量は、1月の12倍の1億1600万枚に達した。

ウイルス肺炎の発生前、世界の医療用マスクの半分は、中国で製造されていた。モルガンスタンレーの推計によると、中国は世界のマスク生産能力の85%を占める。さらに、中国は、N95マスクのほこりや病原菌のろ過に使用されるポリプロピレン繊維の主要な生産国でもある。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、国連のデータを引用して、2018年には中国が最大の不織布輸出国であり、ポリプロピレンフィラメントを含む不織布の世界輸出市場の18%を占めると報告した。

ニューヨーク・タイムズによれば、カナダのモントリオール拠点のマスクメーカー・メディコムは、同社上海工場では1日に300万枚のマスクを生産しているが、中国政府が製造した全てのマスクを買い取るという。

米ミネソタ州拠点の3Mも、上海にマスク製造工場がある。ナバロ氏は、3Mが製造したマスクが中国国内で流通していることに言及し、「3Mは中国国有企業にされている」と批判した。

(翻訳編集・佐渡道世)

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