漢方薬は月経痛に優れた効果

複数の国の3500人の女性を対象に行った調査の結果では、漢方薬は月経痛を緩和するのに有効であり、その効果は西洋医学の薬や鍼灸、温熱療法よりも高いことが分かった。

 『コークラン・ライブラリー・ジャーナル』(Cochrane Library journal)誌に発表された豪州の研究者の報告によれば、漢方薬は月経痛を緩和できるだけでなく、3か月間服薬し続けると、痛みの発生率が低くなることが認められた。

 ウエスタン・シドニー大学(University of Westren Sydney)代替医療研究センター(Center for Complementary Medicine Research)の主任研究員・朱暁書(音訳)は、漢方薬療法は月経痛に対して、鎮痛剤、抗炎症剤、ホルモン療法、鍼灸、温熱療法などの治療法より、より良い改善効果があると指摘した。

 5割の成人女性および7割の思春期の女子が月経痛の問題を抱えており、学業や仕事にも影響している。月経痛の原因はまだはっきり分かっていないが、一般的に卵巣ホルモン分泌のアンバランスによるものだと考えられている。漢方薬による月経痛治療は長い歴史があり、最近、この症状に悩まされている女性たちは、非西洋薬の代替療法の治療を受けたいという傾向がある。

 今回の調査対象は、中国大陸の患者以外に、台湾、日本、オランダの患者も含まれており、対象者を36のグループに分けて行われた。調査対象者に、当帰、川芎、赤芍薬、白芍薬、益母草、茴香、香附子、甘草、肉桂などを含む漢方処方を飲ませた。この漢方処方は、身体を暖め、肝腎の機能を促進し、血気の流れを改善する効果がある。

 その結果、53%の対象者が、漢方薬を服用した後、月経痛がいつもより軽くなった。一方、鎮痛剤を服用した対象者は、26%しか月経痛の軽減が認められなかった。だが、現在調査された症例数はまだ充分とは言えず、今後、もっと詳しい研究が必要であると専門家は指摘している。

(翻訳・坂本)