【紀元曙光】2020年5月14日

初っ切り(しょっきり)という相撲用語は、もちろん聞いてはいたが、語源については調べて初めて知った。

▼初は始め。切は最後。相撲のいろいろな技を、禁じ手もふくめて「始めから最後まで」すべて紹介するもの、だそうだ。大相撲の本場所は、力士にとって出世や昇給のかかった真剣勝負の場であるが、巡業でまわる地方場所などは、花相撲とも呼ばれ、観客を楽しませる内容が盛り込まれている。

▼花相撲の土俵で歌ったらプロ級の歌上手は、勢(いきおい)関。もう一人、忘れてならないのは、番付は三段目ながら、初っ切りでは横綱級のパフォーマーだった勝武士(しょうぶし)さんである。

▼今年2月9日(と言えば、つい最近だが)両国国技館で行われた第44回日本大相撲トーナメントでも、勝武士さんと恵比寿丸さんの高田川部屋コンビが、元気いっぱいの初っ切りを見せている。昨日もYouTube動画で見てしまったが、これが実に面白い。生で見ていたお客さんは大喜びだったろう。

▼十両以上の関取でなければ大銀杏(おおいちょう)は結えないが、この時の初っ切りは、ご両人とも見事な大銀杏だった。本場所ではなくとも、国技館いっぱいの観客を沸かせた二人の、まさに力士人生の晴れ舞台だったろう。

▼その勝武士さんが5月13日未明、ウイルス性肺炎による多臓器不全で亡くなった。まだ28歳だという。初土俵は中学を卒業してすぐの平成19年3月。以来13年、小兵ながら、猛稽古で培った突き押しを得意とした。横綱や大関ばかりではない。こんなお相撲さんも、日本人は大好きなのだ。

関連記事
よもぎと小豆は、漢方と日常生活において重要な役割を果たしてきました。二つの組み合わせはその味に魅力があるだけでなく、そのユニークな性質を活かして体のバランスを整えてくれます。
この若草色の団子は、ただ目で楽しむだけでなく、桜の花々とともに季節の風情を一層引き立てます。
築200年の荒れ果てた家を購入し、5年かけて新しい命を吹き込んだ米国イリノイ州の夫婦は「それだけの価値があった […]
現代社会は、ストレスや様々な疾患に直面しており、多くの人々が健康への不安を抱えている状況にあります。しかし、私たちの身近な食材には、そんな不安を和らげる力を持つ意外なヒーローが存在します。それが「キャベツ」です。
SARS-CoV-2(新型コロナのウイルス名)のスパイクタンパク質が抗がん作用を妨げ、がんを促進する可能性があることが、最近発表されたブラウン大学による細胞研究のプレプリント(査読前原稿)で明らかになった。