香港警察、デモ隊に催涙ガス 国家安全法に初の抗議行動

[香港 24日 ロイター] – 香港で24日、中国の香港国家安全法制定に抗議するデモが行われ、警察は数千人規模のデモ隊を解散させるため、催涙ガスや放水砲を使用した。

香港では新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため9人以上の集会が禁止されているが、香港島の繁華街・銅鑼湾(コーズウェイベイ)に集まった市民らは「香港独立が唯一の道」と訴えながらデモ行進した。

警察は、デモ隊が道路に障害物を置いたり、傘を投げたりするなどしたため催涙ガスを使用し、120人以上を拘束したと説明した。

多くの商店などは営業時間を切り上げて閉店した。

今回のデモは、中国が香港国家安全法を制定する方針を示したことに対する初の抗議行動。

香港を対象にした国家安全法が成立すれば、「一国二制度」下で保障されている香港の高度の自治が奪われるとして、民主化活動家は強く反対してきた。

金融市場でも懸念が広がり、一部の経済団体や外国政府、人権団体からも批判の声が上がっている。

米政府は24日、中国が香港国家安全法を制定すれば、米国は中国と香港に制裁を科す可能性があるとけん制した。

オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は米NBCテレビに対し、「この法律によって中国は実質的に香港を乗っ取ろうとしているようだ」と述べ、「そうなれば、ポンペオ国務長官は香港が高度の自治を維持していると認定できなくなる可能性が高く、香港と中国に制裁が科されることになる」と指摘した。

少数の民主活動家は中国政府の香港出先機関の前で抗議活動を行い、「国家安全法は二制度を崩壊させる」などと訴えた。社会民主連線のメンバーはロイターに対し「中国政府は国家安全保障を名目に誰でも逮捕、収監し、口を封じることができるようになる。こうした動きに抵抗しなければならない」と語った。

世界各国の政治家など約200人は23日、中国が提案している法律は「香港の自治や法の支配、基本的自由に対する全面的な攻撃だ」と非難する声明を発表した。

中国はこうした外国の批判を「内政干渉」と一蹴し、同法によって香港の自治や海外投資家に悪影響は生じないと主張した。[nL4N2D602W]

中国の王毅外相も、法案は限られた範囲の行為を対象としたもので、香港の自由や外国企業には影響しないと強調した。

*内容を追加しました。

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