中国の富裕層、香港から資産移転の可能性 「安全法」を懸念=金融筋

[香港 28日 ロイター] – 中国政府が制定を目指す「香港国家安全法」により、本土の当局が香港にある資産を追跡し、差し押さえることが可能になるとの懸念から、中国の富裕層が香港からの資産移転に動く可能性がある。銀行関係者などが明らかにした。

香港市場に投資されている資産は約1兆ドルを超えているとされるが、このうち半分以上は本土の個人投資家が持つ資金だとみられている。

これまで香港は、中国との密接な関係と本土とは異なる法制度、および通貨ペッグ制の恩恵を受けていたが、資本や人材の流出により、金融センターとしての地位を喪失する瀬戸際にある。

ロイターが取材した銀行関係者ら6人によると、複数の中国人顧客が、他の海外金融拠点に資産を振り向けようと考えている。移転先としてはシンガポールやスイス、ロンドンが有力という。

欧州系資産運用会社のアドバイザーは、香港への投資機会をうかがっていたある中国人投資家が、代わりにシンガポールで投資用マンションを5部屋購入したと明かす。

シンガポールを拠点とする金融関係者は、中国人富裕層から香港以外での口座開設について問い合わせが増えていると指摘した。

また香港を拠点として中国人顧客の資産運用を行っているマネージャーは、ドバイで投資事業体を設立したいとの問い合わせを受け、現地の銀行2行と提携協議を行っているという。

香港はアジアの金融センターの地位をシンガポールと競ってきた。しかし、中国政府が香港への統制を強化する「国家安全法」が制定されれば、香港の自由と法による保護が脅かされるとの懸念が高まっている。

関連記事
4月29日、テキサス大学オースティン校にテントを張っていた親パレスチナ派デモ参加者を、警察当局が逮捕し始めた。
米国とフィリピンが、南シナ海で初めて肩を並べて行った共同軍事演習の最中、4月30日に中共の海警船が、同海域でフィリピンの船舶に再度危険な干渉を行(おこな)った。中共は以前から、南シナ海でフィリピンの船舶に対して干渉を繰り返し、国際社会から批判を受けている。
今年11月に迫る米大統領選で勝利した場合、トランプ氏は数百万人の不法移民の強制送還や中国製品の関税強化、議会議事堂事件で起訴された人々の恩赦を行うと米誌タイムのインタビューで語った。
米国連邦大法院で、ドナルド・トランプ前大統領に対して一定レベルの免責特権は適用可能かもしれないという前向きな解釈が出た。これは、任期中に適用された容疑に関して「絶対的な免責特権」を要求していたトランプ側の主張に対して懐疑的だった従来の立場から少し緩和されたものだ。
北米全土の大学生の間で、ハマスへの支持とパレスチナ人の幸福への懸念が急激に高まっている。ほとんどの学生にとって、それは地球の裏側にいる人々と密接なつながりがあるからではない。学業をなげうってまで過激主義に傾倒するのはなぜだろうか。