豪州議員に中国の内政干渉疑惑、自宅と事務所に家宅捜索

[シドニー 26日 ロイター] – オーストラリアの連邦警察と情報機関は26日、ニューサウスウェールズ州議会の野党・労働党に所属しているモスルマン議員の自宅と議会内の事務所を捜索した。モリソン首相は内政干渉をめぐる捜査だと述べた。

オーストラリアでは2018年、中国による活動に関するASIOの機密報告書が一因となり、内政干渉を阻止するための新法が成立。中国の怒りを買った。

モスルマン氏は今年初め、新型コロナウイルスを巡る習近平中国国家主席の対応を称賛した後、議会の役職を辞任した。

オーストラリアの中国人団体は、海外に浸透工作を展開する中国共産党中央統一戦線工作部との関連を巡って、オーストラリア政府の監視対象となっている。

労働党ニューサウスウェールズ州支部のマッケイ代表は連邦警察とオーストラリア保安情報機構(ASIO)の説明を受けると述べた。

モスルマン氏は捜索について公式声明を出していない。弁護士はコメントの要請に応じなかった。現時点で違法行為の罪に問われてはいない。

ASIOの捜索令状を承認したポーター司法長官は声明で、「政府は、諜報活動や内政干渉に関する法を完全に改定したことから分かる通り、この領域の活動を注視している」と述べた。

モリソン首相は「誰もオーストラリアの活動を干渉しないようにする決意を固めている」とし、警察とASIOの動きは「この領域での脅威が本物」であることが示されたと語った。

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