ブラジル、コロナ感染者200万人突破 約1カ月間で倍増

[リオデジャネイロ 16日 ロイター] – ブラジルの新型コロナウイルス感染者数は16日に累計200万人を突破した。感染者の増加ペースが鈍る兆しはほとんどなく、国内ではボルソナロ大統領の新型コロナ対応に不満が募っている。

感染者数が100万人を超えてからわずか27日後に200万人を突破した。政府の統計によると、ここ数週間の1日当たりの新規感染者数は約4万人に上っている。

ロイターの集計によると、新型コロナ感染者数で世界最多の米国では、感染者数が100万人から200万人に達するまでに43日かかった。ブラジルは感染者数で米国に次いで世界で2番目に多い。

16日時点の感染者数は累計201万2151人、死者は7万6688人に達した。ブラジルの人口は約2億1000万人で、米国の人口の約3分の2に相当する。

ボルソナロ大統領は感染が急拡大しているにもかかわらず、地方政府にコロナ対策の封鎖措置を解除するよう圧力をかけてきた。

同氏は新型コロナの健康上のリスクを軽視し、感染症自体よりも経済的影響の方が深刻だとして、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)措置の実施に反対。地方自治体はここ数週間で抑制措置を緩和しており、感染拡大を助長している。

ボルソナロ大統領は7日に新型コロナの感染が判明し、15日には再検査で陽性だったと記者団に明らかにしたが、自分は健康体なので感染しても重症にはならないと主張している。

世論調査ではボルソナロ大統領の支持率がパンデミック(世界的大流行)下で低下。世論調査機関ダッタフォーリャが実施した6月下旬の調査によると、ボルソナロ政権に否定的な回答者は44%と、4月の38%や昨年12月の36%から上昇した。

コロナ流行の発生当初は、リオデジャネイロやサンパウロなどの大都市で感染拡大が加速したが、足元は新規感染者の増加曲線が緩やかになるか減少に転じている。しかし、その他の地域で感染拡大が深刻になっている。

リオデジャネイロ連邦大学のロベルト・メドロンホ医学教授は「新型コロナは時間の経過とともに拡大しただけなく、地理的にも広がった」と指摘。「さまざま地域で流行が相次ぎ起きているため、ブラジル全体としてのピークはまだ達していない」とした。

保健機関の専門家らは、現在は冬のブラジルで、最も寒さが厳しく、他の地域よりも高齢化が進んでいる同国南部の感染状況が今後さらに悪化する可能性について警戒感を示している。

*内容を追加しました。

関連記事
中国共産党はWHOを代理人とし、米国に対する「ハサミ戦略」を始めるだろう。新たに進められているパンデミック条約がその引き金となる。
韓国最大の太陽光発電メーカーであるハンファ・ソリューションズ傘下のQcellsは中国江蘇省啓東市にある工場を6月30日に永久閉鎖する。
中国共産党の国家安全部が主導する研究機関は、AI技術とビッグデータを利用してカナダの華人議員の個人情報を密かに収集している。
米イエレン財務長官の最近の訪中は、新たな貿易戦争の予兆であるとする見方がある。イエレン氏は中国当局に対し、ダン […]
全世界の軍事費支出が9年連続で増加し、過去最高値を再び更新したことが明らかになった。スウェーデンに本部を置くシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」が22日(現地時間)に公開した報告書によると、昨年の全世界の軍事費支出規模は約2兆4400億ドル(約772兆円)に達すると集計された。