北朝鮮指導部、コロナ発生の可能性で封鎖中の開城を幹部が視察

[ソウル 30日 ロイター] – 北朝鮮の崔竜海(チェ・リョンヘ)最高人民会議常任委員長は、新型コロナウイルスへの感染が疑われる脱北者が韓国から戻ったことを受け、非常事態宣言の下で封鎖措置が取られている開城(ケソン)市を視察した。国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が30日に伝えた。

崔氏の訪問は、南北の境界を越えた感染を巡る北朝鮮側の深刻な懸念を示唆している。

北朝鮮はこれまでに、新型コロナの国内感染はないと主張し、感染が疑われる事例が発生した南北境界付近の開城で厳格な隔離措置と検査体制を敷いたとしている。

韓国当局者は、2017年に脱北した開城出身の24歳の男性が今月、排水管を通り川を泳いで北朝鮮に戻ったとしている。

北朝鮮はこの男性が新型コロナ検査で陽性だったか正式に発表していないが、男性は症状を示しているという。韓国の保健当局者は、この男性が北朝鮮に戻る前に新型コロナに感染していたことを示す証拠はなく、少なくとも2人の濃厚接触者は検査で陰性だったとしている。

KCNAによると、崔氏は開城と周辺地域を訪問し、感染拡大を防ぐ措置を点検。開城市民には食料や医薬品などが支給されるとした上で、消毒と隔離を厳格に実施する必要性を強調した。

朝鮮労働党機関紙「労働新聞」も、徹底した感染防止策を呼び掛け、気を緩めないよう警告。「国内では感染は1例も出ていないものの、一瞬の不注意が、想像もできない、取り返しのつかない致命的な危機を招く恐れがある」と戒めた。

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