台湾の李登輝元総統が死去、民主化推進 「二国論」で中国に対抗

[台北 30日 ロイター] – 台湾の李登輝元総統が30日、97歳で死去した。一党独裁体制だった台湾を、民主化の推進を通じて自由で多元的な社会へと転換させることに寄与するとともに、自国領の一部との立場で台湾併合を狙う中国の圧力に対抗し、台中問題について「特殊な国と国の関係(二国論)」を展開したことでも知られる。

李登輝氏は、日本統治下にあった1923年の台湾に生まれ、京都帝国大学出身で日本語も堪能。その後1949年に国共内戦に敗れて台湾政府を樹立した蔣介石の息子、蔣経国総統の下で副総統を務め、1988年に蔣経国氏が死去すると総統に就任した。中国本土ではなく台湾生まれの初めての総統だった。

台湾のために李登輝氏が残した最大の政治的功績は、1996年に初の総統直接選挙を実施したことだ。中国は李登輝氏の当選を阻止しようとさまざまな軍事・政治的な威嚇を行い、米国が中国側に警告を与えるために台湾海峡に空母を出動させる事態となったが、結局大差で同氏が選ばれた。2000年に退任するまで、総統を12年務めた。

1995年にはかつて留学した米コーネル大学の同窓会に参加するため訪米し、中国の激しい反発を招いたこともあった。

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