商船三井の運航船座礁事故、モーリシャス生態系への影響が深刻化

[ナイロビ 11日 ロイター] – 商船三井<9104.T>が運航する貨物船「わかしお」がインド洋モーリシャス沖で座礁した事故を巡り、燃料流出に伴う周辺への影響が深刻化している。11日には海辺の清掃活動を進めているモーリシャスのボランティアが死んだウナギを確認した。粘着性の黒い液体にまみれたヒトデの死骸も確認されているほか、カニや海鳥も死んでいる。

わかしおは岡山県の長鋪(ながしき)汽船の関連会社が保有・管理し、商船三井が運航する大型ばら積み船。7月25日にモーリシャス南東沿岸のサンゴ礁で座礁し、先週になって燃料が流出し始め、周辺の生態系に深刻な影響を及ぼす恐れが懸念されている。流出量は1000トンとみられている。

清掃ボランティアのYvan Luckhunさんはロイターに対し「船の影響で、さらに何が起きるのか私たちには分からない。(船体の)亀裂がさらに拡大するかもしれない」と語った。

モーリシャスのジャグナット首相は10日遅く、わかしおには約2000トンの油が残っており、最終的に船体が崩壊するとみられると述べ、最悪に備える必要があると警告した。

非政府組織(NGO)「モーリシャス野生生物財団」の保護担当ディレクター、Vikash Tatayah氏は「市民からは政府が対応に時間をかけ過ぎたのではないかとの怒りや批判が出ている」と指摘。わかしおは燃料流出が始まるまで約2週間座礁したままだった。

モーリシャス政府当局者からは、今のところコメントを得られていない。

商船三井は発表文で「早期の事態解決に向けて取り組みます」と表明。社員6人を現地に派遣したことを明らかにしたほか、人員の追加派遣や物資の輸送についても引き続き検討するとした。

関連記事
中国共産党はWHOを代理人とし、米国に対する「ハサミ戦略」を始めるだろう。新たに進められているパンデミック条約がその引き金となる。
韓国最大の太陽光発電メーカーであるハンファ・ソリューションズ傘下のQcellsは中国江蘇省啓東市にある工場を6月30日に永久閉鎖する。
中国共産党の国家安全部が主導する研究機関は、AI技術とビッグデータを利用してカナダの華人議員の個人情報を密かに収集している。
米イエレン財務長官の最近の訪中は、新たな貿易戦争の予兆であるとする見方がある。イエレン氏は中国当局に対し、ダン […]
全世界の軍事費支出が9年連続で増加し、過去最高値を再び更新したことが明らかになった。スウェーデンに本部を置くシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」が22日(現地時間)に公開した報告書によると、昨年の全世界の軍事費支出規模は約2兆4400億ドル(約772兆円)に達すると集計された。