【紀元曙光】2020年9月2日

「次は誰になるのか」と、そればかりを話題にするのは正直いかがなものか。
▼安倍晋三首相が、持病の悪化のため辞意を表明した。自民党のなかの総裁選となるが、残された任期だけの臨時的人事とはいえ、次期総裁が日本国の首相となる。命も狙われる中共内の暗闘に比べれば、なんと穏やかな禅譲であろう。
▼「アベ政治を許さない!」と気勢を上げていた方々は、それはそれでご自由だとは思うが、「安倍さん以外に、あなたは誰がいいと思うの?」と聞いてみたい。小欄の筆者は、べつに安倍さんびいきではない。ただ、8年近くに及ぶ長期政権の中心として、その重責に耐えながら、よくお務めになられたと思うし、素朴な感謝の念をもっている。
▼日本の政治について、小欄の主張は、ただ一つ。中国共産党に親密であったり、妥協的であったり、中共の非道に全く無知であったりする日本の政治家は、それこそ国を滅ぼすものだと警鐘を鳴らすだけだ。賢明な日本国民は、次回の選挙で、そういう人を当選させてはならないのである。
▼ついでに申し上げる。日本の政治家の責務は、東シナ海の尖閣諸島を防衛するばかりではない。中国共産党の大崩壊が、もはや可能性の問題ではなく、すでに実際的な現象となっている今、あなたは腹を据えて、尽忠報国の武士たり得るか。そうであれば日本政府は、即時、中共許さずの旗幟を鮮明になされよ。
▼安倍さんは、ご無念だったろう。コロナ禍もまだ収まらず、拉致問題も解決に至らなかった。その志を継ぎ、さらにむかえる大難局を乗り越えられる、気骨ある首相を期待する。