FDA、アストラゼネカのコロナワクチン安全性調査を拡大=関係筋

[ワシントン 30日 ロイター] – 米食品医薬局(FDA)は、英製薬大手・アストラゼネカ<AZN.L>の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験(治験)中に確認された深刻な副作用とみられる症状に関する調査範囲を拡大し、このワクチンを開発した研究者が開発した同様のワクチンの治験データで副作用の有無を調べる方針だ。複数の関係筋がロイターに明らかにした。

アストラゼネカは英オックスフォード大学と共同でワクチン開発を進めているが、英国の被験者1人に原因不明の疾患が生じたため、9月初めに全世界で治験を中断。この被験者は脊髄に炎症が起きる横断性脊髄炎とみられる症状が確認された。

その後、英国などでは治験が順次再開されたが、米国での大規模な後期治験は9月6日以来中断されている。

FDAが調査範囲を拡大したことで、有望視されていたアストラゼネカのコロナワクチン導入がさらに遅れる可能性が高まっている。

関係筋によると、FDAがアストラゼネカ側に要求した治験データは今週中に到着する見込みで、FDAはその後にデータを分析する。

トランプ政権はすでにアストラゼネカのワクチンの開発支援に12億ドルの拠出を約束し、米国向けに3億回分のワクチンを確保している。

関係筋によると、FDAはアストラゼネカとコロナワクチンの共同開発にあたるオックスフォード大学の研究者が開発した他のワクチンの治験で、同様の副作用が出なかったか確認したい考え。ただ、FDAはこれらのワクチンの安全性を疑っているわけではないという。

FDAは開発中の製品に関する議論にコメントしないと説明。オックスフォード大学はコメント要請に応じていない。

アストラゼネカは「FDAが米国での治験再開に関する決定に必要な情報を確認できるよう引き続き協力している」とした。

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