トランプ氏、15日の討論会参加拒否 バイデン氏は対話集会開催へ

[ワシントン 8日 ロイター] – 11月3日の米大統領選挙を巡り、混迷が一段と深まっている。トランプ大統領は8日、来週15日に予定されている第2回大統領候補討論会がバーチャル形式になるなら参加しないと表明。これを受け、民主党の大統領候補バイデン前副大統領の陣営はタウンホール形式での単独イベントを手配した。

米大統領選討論会の実行委員会は8日、トランプ大統領の新型コロナウイルス感染を踏まえ、討論会を対面ではなくオンライン開催にすると発表した。討論会は予定通りタウンホールミーティング形式となり、司会者と参加者はマイアミの会場から大統領候補に質問する。

これに対し、トランプ大統領はFOXビジネスとのインタビューで、バーチャル形式での討論会開催について「受け入れられない」とし、「時間を無駄にする気はない。バーチャル討論会はそもそも討論会ではない」と言明。「ばかげており、(司会者らは)好きな時に候補者のマイクを切ることができる」と述べた。

その後、トランプ・バイデン両陣営は第2回討論会を、最終討論会が予定されていた22日に延期するよう提案。トランプ陣営は最終討論会も1週間後の29日に延期するよう提案したが、バイデン陣営は29日の討論会実施を拒否し、11月3日の大統領選を前に、10月22日の討論会を最終回にするべきとの見解を示した。

バイデン陣営のベディングフィールド選対副部長は「トランプ氏の言動には一貫性がなく、トランプ氏による日程変更などは許されない」と主張。バイデン陣営は討論会の代わりに、15日にABCニュース主催のタウンホール形式のイベントをフィラデルフィアで行うという。

トランプ氏が新型コロナに感染する前の第1回討論会では、両候補が激論を交わす中で論戦が度々中断され、討論会を企画する米大統領候補討論会委員会(CPD)は第2回討論会では秩序立った討論が行えるよう措置を講じると表明。一部では、発言中の横やりを制限するためマイクをミュートにする措置が導入されるとの観測が台頭した。

トランプ氏の討論会への不参加表明を巡っては、トランプ陣営から疑問の声も上がっている。事情に詳しい関係者によると、トランプ氏のアドバイザーは、討論会に参加しなければ数百万人の有権者に自身の主張を伝える機会を失うことになると主張しているという。

*内容を追加しました。

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