中国国営TV、香港デモ支援の台湾人の「自白」放映 台湾が反発

[台北/北京 12日 ロイター] – 中国国営テレビは11日遅く、香港の反政府デモを支援するため中国でスパイ活動を行ったとして昨年逮捕された台湾市民のドキュメンタリー番組を放映した。

この台湾市民は番組の中で「悪いことをした」と罪を自白したが、台湾当局は捏造だと中国側を非難している。

中国国営テレビによると、この台湾市民は香港の反政府デモを支援するため香港を訪問。その後、中国の武装警察を撮影するため、中国・深センを訪れた際に、国家安全法違反で逮捕された。

番組では、囚人服を着たこの台湾市民が「非常に申し訳なく思う。たくさんの悪いことをした。母国を傷つけた」と罪を自白する姿が放映された。

これについて、台湾で対中政策を担う行政院大陸委員会は「全く馬鹿げている」と批判。「これは悪意ある政治的な宣伝行為であり、台湾市民を罠にかけてスパイ行為に関与させ、意図的に中台関係を悪化させている」と表明した。

大陸委員会は、台湾市民に罪を着せるのをやめるよう中国側に要求。テレビ番組で自白させるのは法的手続きに反しているとも主張した。

中国では以前にも、裁判を受けていない容疑者が国営テレビで罪を自白しており、人権団体や欧米政府から批判の声が出ている。

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