南アの変異ウイルス、英科学者がワクチンの有効性に懸念=ITV

[ロンドン 4日 ロイター] – 南アフリカで見つかった新型コロナウイルス変異種について、英科学者はワクチンが効くと完全に確信しているわけでないと、英ITVのロバート・ペストン政治部編集長が4日、匿名の英政府アドバイザーの発言を引用して述べた。

ハンコック保健相は4日これに先立ち、新たな変異種を非常に懸念していると述べた。

ペストン編集長は「政府の科学アドバイザーの一人によると、ハンコック氏が南アフリカの変異ウイルスを非常に懸念するのは、ワクチンが英国で見つかった変異ウイルスと同様に有効か科学者らが確信がないからだ」と述べた。

英イングランド公衆衛生庁(PHE)は、ワクチンが変異ウイルスに対して有効でないことを示唆する証拠は現時点でないとした。保健省は現時点で報道に関するコメント要請に応じていない。

英国と南アフリカでは最近、変異ウイルスが発見され、感染の急拡大をもたらしている。

科学者によると、南アの変異ウイルスは体内に侵入する上で重要な役割を果たす「スパイクタンパク質」に複数の変異が見られるという。また、感染者が保有しているウイルス量の多さと関連しており、これが感染率の上昇につながっている可能性があるとした。

英政府のワクチン・タスクフォースのメンバーであるオックスフォード大学のジョン・ベル教授は3日、ワクチンは英の変異ウイルスには効果があると思うが、南アの変異ウイルスへの効果には「大きな疑問符」が付くと述べた。現行のワクチンが効かなかった場合、新たにワクチンを創製する必要があるが、それには1年はかからず1カ月か6週間程度で可能との見方を示した。

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