中国人の出国・移住に二重の壁 各国が規制強化 中共も管理厳格化

2026/08/12
更新: 2026/08/12

日本では最近、外国人の永住許可をめぐる条件が厳しくなり、素行についても条件を設けた。日本の外国人永住者の約4割を中国人が占めるため、今回の厳格化は中国人に特に大きな影響を与える。

米欧でも、ビザや移住をめぐる政策の厳格化が相次いでいる。その一方で、中国共産党(中共)当局も出入国管理を強化しており、中国人にとって海外渡航や移住のハードルが高まっている。

日本は先週、外国人の永住許可に関するガイドラインの改定案を発表した。在留期間や年収、日本語能力などに加え、「素行が善良である」「独立した生計を営むに足りる資産又は技能を有する」「日本国の利益に合する」などを求めている。

日本の外国人永住者の約4割は中国人で、今回の政策変更は中国人に特に大きな影響を与える。

日本在住の台湾人作家、福澤喬氏は6月、フェイスブックへの投稿で、日本が中国人に対するビザや移住政策を厳しくしている背景について、日本にいる中国人が「小粉紅」と呼ばれる若い民族主義者の迷惑行為を批判せず、沈黙していることも一因だと指摘した。

福澤氏はその例として、「西太后事件」を挙げた。

2023年12月、中国本土のインフルエンサーが、東京の「中華西太后」料理店に「中国人の入店禁止」と書かれた張り紙があることを知り、店に押しかけて抗議し、騒ぎを起こした。

このインフルエンサーは騒動後、すぐに中国へ帰国した。警察は嫌がらせ行為について捜査し、国会議員からも逮捕を求める声が上がった。メディアが事件を報じると大きな反響を呼び、中国人に対する印象が大きく悪化した。

他国で中国人の移住をめぐる規制も厳しくなっている。

アメリカでは昨年からビザ政策を厳しくしている。ワシントンのシンクタンクCISが8月に公表したデータによると、中国人に発給したF-1学生ビザは、1年間で34%減少した。

また、カリブ海の5か国(ドミニカ、アンティグア・バーブーダ他)ではこれまで、投資と引き換えに市民権を取得できる「ゴールデン・パスポート」制度を設けていた。制度利用者の50~70%を中国人が占め、取得者はヨーロッパのシェンゲン圏(国境検査なしで自由に移動できる領域)29か国へ渡航できる。

今年6月、EUは5か国に対し、2年後から段階的に「ゴールデン・パスポート」制度を廃止するよう求め、応じない場合はビザ免除措置を取り消す方針を示した。

一方、中共は、9月15日から施行する新たな出入国規定で、科学技術分野の人材の出国をさらに厳しく管理する。海外で反体制的な発言をした人について、帰国後の再出国を禁止するほか、国境管理担当者に、国民へ出国を思いとどまるよう求める権限も与える。

中国人にとっては、外国側でビザや移住の条件が厳しくなる一方、中共も出国管理を強めている。国外へ出ることも、移住先に受け入れてもらうことも難しくなっている。

北京の弁護士だった頼建平氏は、「今は外の門が閉ざされ、自国の門も閉ざされている。そうなれば、人は中共統治下の中国という巨大な監獄の中で、閉塞感を抱えたまま生きていくしかない。非常につらい状況となり、多くの人が絶望する恐れさえある」と述べた。