英イングランド、全面ロックダウン 「変異種抑制に必要」

[ロンドン 4日 ロイター] – 英国のジョンソン首相は4日、新型コロナウイルス感染の急激な拡大に対処するため、イングランドで新たに全面的なロックダウン(都市封鎖)措置を導入すると発表した。

ジョンソン首相はテレビ演説で、感染力が強い変異種が急速に拡大しているため、迅速な対応が必要になっていると強調。「こうして話している間にも、医療機関の逼迫度は増している。変異種の感染拡大を抑制するために 一段の措置が必要なのは明らかだ」と述べた。

その上で「全国的なロックダウン措置を導入する。 政府は再び、国民に対し外出を控えるよう要請する」とし、協力を求めた。

具体的には学校が5日から閉鎖されるほか、必需品の購入や運動など以外を目的とした外出の自粛が要請される。必需品以外を扱う商店や接客業は閉鎖される。建設業などは営業が認められる。

英国ではこの日、アストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発した新型コロナワクチンの接種が始まったばかり。新規感染者数は3日時点で約5万5000人。累計の死者数は7万5000人超と、欧州で2番目に多い。

ジョンソン首相は、ワクチン接種が計画通り進み、死者数が想定通りロックダウンに反応すれば、2月半ばまでに措置の緩和を開始することができるはずだと述べた。ただ、封鎖緩和時期については慎重な見方も示し、国民に規制に従うよう訴えた。

英国は初回のロックダウンの影響で、2020年第2・四半期の国内総生産(GDP)が20%近く落ち込んだ。

シンクタンク「経済問題研究所」のジュリアン・ジェソップ研究員は今回の措置について、経済生産を約10%押し下げる可能性があるとの見方を示した。

スコットランドもこの日、昨春以降で最も厳しいロックダウン措置を導入した。

ウェールズも全ての学校と大学に対し、18日までオンライン授業に切り替えるよう求めた。

*内容を追加します。

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