【紀元曙光】2021年1月11日

時は戦国のころ。家紋を染めた旗を背中に立て、勇ましく戦う若武者がいた。
▼旗(はた)を竹竿に結ぶ布輪を乳(ち)といい、それが数にして20あった。そこから、戦場で命を懸けて働くことが認められた年齢を「はたち」と呼ぶようになった、という。黒澤映画を見ても、旗の結びが20もあったようには思えないが、「おまえは、もう責任ある歳なのだ」と言うならば、俗説ながら、教育的意味のある説明とみてよい。
▼選挙権をもつ年齢が18歳になった今日、成人としての20歳、つまり「はたち」の意味がどれほどあるのか。犯罪をおかすと名前が出ること以外に、もっと根源的な意味があるように思うのだが、よく分からない。例年では、ごく一部の新成人ならぬ「新生児」が、とても大人とは言えない幼稚な騒ぎを起こして、見たくもないニュースになる。
▼今年はそれどころではないコロナ自粛のなかで、自治体による祝賀行事が急遽中止になるのは残念の一言に尽きるが、このような苦難のなかで迎えた「こころの成人式」を、ぜひ忘れないでいただきたい。一案だが、皆さんが30歳になられたときに、振袖かどうかはともかく、晴れ着をきて集まり「リベンジ成人式」をやられてもいいのではないか。
▼若い方々に申し上げる。このウイルス禍が、政府が出した緊急事態宣言の1か月で収束するとは、おそらく国民の誰もが思ってはいまい。今は皆、一人も欠けずに、何としても生き抜こう。
▼日本の中共ウイルス新規感染者を見ると、若い世代が多いらしい。手前味噌で恐縮だが、ぜひ大紀元をご覧いただきたい。