ロシア反体制派ナワリヌイ氏に実刑、欧米諸国は即時釈放要求

[モスクワ/ワシントン/ロンドン/ベルリン 2日 ロイター] – モスクワの裁判所は2日、ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏に対し、懲役3年6月の実刑判決を下した。この決定を受け、欧米諸国からは同氏の即時釈放を求める声が上がり、モスクワでは支持者が抗議行動を再開した。

ナワリヌイ氏の弁護士によると、自宅軟禁されていた時期があるため、実際の服役期間は2年8カ月になる。弁護団は上告するとしている。ナワリヌイ氏は政治的な動機に基づいていると非難した。

プーチン政権に批判的なナワリヌイ氏を巡っては、同政権が毒殺しようとした疑惑がある。療養先のドイツから1月17日に帰国した直後、モスクワ郊外の空港で司法当局に身柄を拘束された。これを受け、ロシアでは23日と31日、同氏の釈放を求める抗議デモが全国的に実施された。

モスクワの裁判所の周辺にはこの日朝から支持者が集まり抗議集会を開いた。判決後にナワリヌイ氏陣営は支持者にモスクワ中心部での抗議運動を呼び掛けた。治安当局は900人以上を拘束した。

米国のブリンケン国務長官は声明で「ロシア当局がナワリヌイ氏に実刑判決を下したことを米国は深く懸念している」とし、「ナワリヌイ氏を無条件で即時釈放するよう、ロシア政府に呼び掛ける。(抗議活動に参加し)不当に拘束された多くのロシア市民の解放も呼び掛ける」とした。

英国のジョンソン首相もツイッターに、司法における最も基本となる基準を満たしていないと判決を批判し、ナワリヌイ氏の即時釈放を求めた。

ドイツのメルケル首相も同氏の即時釈放を求めるとともに平和的な抗議活動に対する暴力行為を止めるよう強く求めた。

*内容を追加しました。

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