トランプ氏、無罪評決なら再び反乱扇動も=弾劾裁判で民主党

[ワシントン 11日 ロイター] – 米連邦議会占拠事件を巡るトランプ前大統領の弾劾裁判は11日、3日目の審理を行った。検察官役を務める民主党下院議員は、陪審員役の上院議員が無罪評決を下せば、トランプ氏は再び反乱を扇動しかねないと強調した。

これまで3日間の審理では1月6日の議会占拠に至るまでに、大統領選での不正を根拠なく主張していたトランプ氏が支持者らに発した激しい言葉の数々が焦点となった。

弾劾裁判の合憲性を巡る初日の採決で、民主党とともに賛成票を投じた共和党議員は6人にとどまったため、有罪評決が出る可能性は極めて低いとみられる。民主党は有罪評決を下してトランプ氏が再び公職に就くのを阻止したい考え。

検察官役筆頭のジェイミー・ラスキン下院議員は検察側の弁論を終えるのに際し「トランプ氏が公職に戻り、再び反乱を扇動した場合、他の誰でもなく私たちの責任となる」と訴えた。

同じく民主党下院議員のテッド・リュウ氏はトランプ氏が2024年大統領選に立候補し、敗北した場合に同じことが起こり得ると警告した。

民主党側は、トランプ氏が1月6日に支持者らに対し、バイデン氏の大統領選当選を正式に確定する手続きが進行していた議会に赴き「死に物狂いで戦う」よう呼び掛けたことが扇動行為だと証明するため、事件当日までのトランプ氏の問題行動を多数列挙した。

民主党下院議員の弁論はおおむね両党から高い評価を得たが、一部の上院共和党議員は納得していないと指摘。

ジェームズ・インホフ上院議員は「同じことを繰り返しているだけだ。私にとっては聞けば聞くほど信頼性がなくなる」と述べた。

トランプ氏の顧問、ジェイソン・ミラー氏はツイッターで弁護側は12日に弁論を終わらせると表明。共和党上院議員の一部は、13日の審理終了を見込んでいると述べた。

一方、民主党上院トップのシューマー院内総務は、上院が無罪評決を下した場合にトランプ氏を処罰するための異なる方法を探る可能性に含みを持たせた。反乱に関与した公職者が公職に就くのを禁じる権限を議会に与えている憲法修正第14条を発動する可能性が含まれる。

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