米、北朝鮮ハッカー3人を起訴 銀行や映画製作会社を攻撃

[ワシントン 17日 ロイター] – 米司法省は17日、大規模なハッキング行為で13億ドルを超える現金と暗号資産(仮想通貨)を盗んだとして、北朝鮮のコンピュータープログラマー3人を起訴したと発表した。銀行からハリウッドの映画スタジオに至るまで、被害は広範に渡るとしている。

司法省によると、3人は北朝鮮の軍情報機関に勤務していた時期にハッキングを実施。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の暗殺計画を題材にしたコメディー映画「ザ・インタビュー」を製作したソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)に対する2014年のサイバー攻撃のほか、米映画館チェーン大手AMCエンターテインメント・ホールディングスのスタッフや、北朝鮮に関するドラマシリーズを制作していたマンモス・スクリーンに対する攻撃などに関与していた。

このほか、世界的に被害が広がったランサムウエアの「ワナクライ(WannaCry)2.0」の作成にも関与したという。

また、3人は南アジア、東南アジア、メキシコ、アフリカの金融機関にも侵入。多くの金融機関が加盟する国際銀行間通信協会(SWIFT)を通して資金を盗んだほか、18年3月から20年9月にかけて仮想通貨ユーザーを標的にマルウエア(悪意あるプログラム)を送りつけたとされる。

米連邦捜査局(FBI)当局者によると、3人はこれまでに中国やロシアを含む複数の国に滞在。現在は北朝鮮国内にいるとみられている。

国務省のプライス報道官は記者会見で、北朝鮮による悪意のあるサイバー攻撃は米国、および米国の同盟国に対する脅威になっているとし、この問題は現在行われている米国の対北朝鮮政策の見直しに含まれると述べた。

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