中国は国防予算を大幅増額へ、軍事的な緊張高まりで=安保専門家

[香港/北京 26日 ロイター] – 3月5日に開幕する中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、新型コロナウイルス流行の影響から経済が回復し、軍事的な緊張が高まる中、大幅増額された国防予算が示される見通しだ。国内外の安全保障問題専門家が明らかにした。

中国の昨年の国防予算は6.6%増と、新型コロナ流行で経済が打撃を受ける中、30年間で最も低い伸びとなった。

米国のバイデン新政権はアジア太平洋地域で中国に対抗する姿勢を見せており、ここ数週間で米海軍艦船が台湾付近や南シナ海の紛争海域を航行している。

上海政法学院の元教授、倪楽雄氏は「中国は朝鮮戦争以来、最も深刻な安全保障環境に直面している」と指摘。米国による台湾への武器輸出、中国沿岸沖における米空母の定期的な展開、南シナ海における仏艦船・原子力潜水艦の最近のプレゼンスを挙げ、中国国防予算の大幅な増額を予想した。

同氏は「世論を見れば、台湾を軍事的に取り戻すことがより喫緊の課題となっている。このため、国防予算は間違いなく大きく増加するだろう」と語った。

米戦略予算評価センターの非滞在型フェローで豪国防省の元当局者であるロス・バベッジ氏は、国防予算の約7%増を予想。「これは一部の人々が予想するよりも低い伸びかもしれない。中国経済が素晴らしいといえる姿にまだなっていないことが理由だ」と語った。

中国経済の2020年成長率は2.3%にとどまったものの、主要国では唯一プラス成長となった。ロイター調査では今年は8.4%成長が見込まれている。

中国国防省にコメントを求めたが、回答を得られなかった。

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