メコン川の水位が「懸念すべきレベル」に低下 中国にダム関連データの開示を要求

ロイター 2021年2月、上流に位置する中国の水力発電ダムの放流制限が要因となり、メコン川の水位が「懸念すべきレベル」にまで低下したと発表したメコン川委員会(MRC)は、中国政府に対してすべての放流データを開示するよう求めた。

4か国が加盟する国際機関のメコン川委員会が発表したところでは、流域住民の重要な糧となるメコン川のタイ・ラオス国境流域が、通常の濁った茶色から青色に変化した。これは、水位低下と堆積物の栄養の低下を示す兆候である。一部の要因は中国雲南省の景洪ダムの放流制限にある。

2月12日の声明によると、ダム放流量だけでなく、メコン川下流域と支流における降雨量が少ないことも水位低下の要因になっている。 メコン川委員会本部が所在するラオスの技術支援部門を率いるウィナイ・ウォンピムール(Winai Wongpimool)部長は、「景洪市のすぐ下流からビエンチャンまでの流域の水位が急激に上下した」と述べている。

こうした変動により、7,000万人近くに上る流域住民の生計と食料安保を支える同河川における魚類の回遊、農業、輸送に大きな影響がある。 ウォンピムール部長は、「メコン川の下流域諸国がより効果的にリスクを管理できるように、当委員会は中国だけでなく、下流域諸国にも放流計画を開示するよう求めた」と話している。

メコン川委員会によると、中国のダム貯水池から大量の水が放流されれば、河川が通常の状態に回復する可能性がある。 下流の干ばつ原因は他にも多く考えられるとして、中国外務省(中華人民共和国外交部)はメコン川委員会が発表した調査結果に異議を唱えている。

2020年、中国はメコン川委員会に加盟するカンボジア、ラオス、タイ、ベトナムに対してダム関連のデータを開示することを誓約している。 2021年1月、中国政府は1月25日まで貯水池に水を貯めると隣国に通知した。 メコン川委員会が発表したところでは、1月上旬に毎秒785立方メートルであった景洪ダムの放流量は、1月中旬には毎秒1,400立方メートルに上昇している。

しかし、2月に入ると放流量は再び減少し、2月11日時点では毎秒800立方メートルであったとメコン川委員会は報告しているが、中国政府からの最近の通知には言及していない。 ダム放流量は1月下旬から一貫して、河川の自然の流れのほぼ2倍に当たる毎秒1,000立方メートルを上回っていたと主張する中国側は、メコン川委員会に対して「世間の誤解を招くような言動は慎む」よう求めている。

(Indo-Pacific Defense Forum)

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