台湾、中国の攻撃能力強化を警告

[台北 19日 ロイター] – 台湾国防部(国防省)は、中国が台湾への攻撃能力を強化し、台湾を封鎖できるようにしていると警戒感を示した。中国は長距離ミサイルを配備することで、戦争になった場合に台湾を支援する外国軍を防ぎ、台湾軍の信用を損なうための心理戦も進めていると訴えた。

台湾国防部が4年に1度実施している国防見直しをロイターが確認した。それによると、中国は台湾島を制圧するための「グレーゾーン」戦術を展開しており、台湾の領空と海域の近くで軍事訓練や活動を繰り返すことで台湾の神経をすり減らそうとしている。

台湾国防部は「中国は軍事力の近代化を続け、台湾に対する戦闘能力を高めてきた」と指摘した。

中国国防省はコメントの要請に応じなかった。

中国は台湾を自国の領土と見なし、ここ数カ月間に軍事活動を強化し、主権を主張しているほか、米国政府の台湾支援に不快感を表明している。

台湾国防部は、中国が台湾の施設の模擬施設を建設して攻撃訓練をし、台湾を侵攻することを想定して着陸訓練をしているとも指摘した。

国防部は「われわれに対する中国の敵対心と脅威は高まっている。事故や衝突のリスクと、台湾島の安定と平和が崩壊するリスクが高まっている」と警告した。

また、中国が台湾で「偽ニュース」を拡散し、「人々の国に対する信用を損なおうとしている」とした。

台湾の蔡英文総統は、台湾が既に中華民国という正式名称を持つ独立した国であり、台湾の民主主義と主権を守ると主張している。

バイデン米大統領が1月20日に就任して以降、中国は台湾近辺の軍事訓練を強化している。バイデン氏は米国の台湾に対する責務は「極めて堅固」だと訴えている。

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