国民の政治不信招き、重く受けとめる=河井元法相の刑事事件で官房長官

[東京 23日 ロイター] – 加藤勝信官房長官は23日午後の会見で、公職選挙法違反の罪に問われている元法相の衆院議員、河井克行被告の刑事裁判について、国民の政治不信を招き、重く受け止めているとの見解を示した。

国内メディアは、河井被告が23日に東京地裁で行われた被告人質問で、これまでの無罪主張を翻し、選挙買収罪については争わないと述べるとともに議員辞職も表明したと報道した。

これに対し、加藤官房長官は議員辞職の表明は報道で承知しているが、政府としては「コメントを控える」とした。その上で「法相経験者が刑事裁判(の被告)となったことは大変残念であり、国民の政治不信を招いたとの批判が出ていることは重く受け止める」と語った。

一方、この選挙違反事件では、自民党から提供された1億5000万円が使用されたのではないかとの指摘が出ていることに対しては、刑事裁判の公判に向けて検察当局の調査がなされているとの見解を示すにとどまった。

また、加藤勝信官房長官は25日に福島県内で実施される東京五輪の聖火リレーの出発式に関し、菅義偉首相は欠席すると明らかにした。その理由として「国会日程などを総合的に勘案して見合わせることにした」と語った。政府からの出席者は調整中とした。

政府提出の産業競争力強化法改正案と銀行法改正案の条文中に誤りがあったことについて、加藤官房長官は大変遺憾で重く受け止め、再発防止に努めると説明した。

(田巻一彦)

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