EU、トルコとの通商関係強化へ 制裁の用意も

[ブリュッセル 23日 ロイター] – 欧州連合(EU)は23日に公表した今週開催の首脳会議のための報告書で、トルコとの通商関係の強化に向け交渉を始めるべきだとする一方で、トルコがEUの利益に反する行動を取った場合は経済制裁を科すと警告した。

経済関係強化を提案しつつ脅迫を交えた報告書は、EU加盟候補国であるトルコと、世界最大の通商圏であるEUの関係が複雑であることを映し出す。両者は、関係に隔たりがあるものの、ここにきて関係修復を図っている。

EUは報告書で、トルコが何百万人ものシリア難民を受け入れていることからトルコへの財政支援を増やすことを提案。そのほか、ビザなしのEUへの渡航や、より高いレベルでの外交交渉、関税同盟の拡大を提案した。一方、トルコが人権を尊重し、キプロス島問題や東地中海の炭化水素資源開発で柔軟性を示した場合に、こうした関係改善が進むと指摘した。

EUは2022年から、トルコが受け入れた400万人の難民に充てる追加資金を提供する予定。過去4年間で60億ユーロ(71億3000万ドル)を提供している。

EUは報告書で、外交の分野でEUの制裁政策にトルコが連携していないと指摘。トルコのリビアに対する外交政策はEUと異なる場合が多い。

EUは昨年12月、トルコが東地中海で「許可なく天然ガスの掘削活動を行った」として資産凍結や渡航禁止措置を提案した。ただ今年に入りトルコのエルドアン大統領が建設的な姿勢を示したことでEUは制裁に踏み切らなかった。

報告書は制裁に関して、個人への罰則から、エネルギーや観光業などの重要産業への制裁まで、段階的な引き上げを提案。圧力を与える手段としてのみ活用するとした。

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