原油先物反落、コロナ拡大懸念がスエズ運河遮断の供給不安に勝る

[メルボルン 25日 ロイター] – アジア時間25日の原油先物価格は約2%安。欧州でのロックダウン(都市封鎖)延長の動きから、燃料需要回復が鈍化するとの懸念が再浮上している。

前日には、世界の海上輸送の要衝であるエジプトのスエズ運河で大型コンテナ船が座礁し、他の船舶が通航できなくなったことが原油輸送に影響するとの懸念から、原油先物は約6%上げていた。

0139GMT(日本時間午前10時39分)時点で、北海ブレント先物は1バレル=1.14ドル(1.8%)安の63.27ドル。前日には6%急伸していた。

米WTI先物は1.27ドル(2.1%)安の1バレル=59.91ドル。前日は5.9%上昇していた。

コモンウェルス銀のコモディティーアナリスト、Vivek Dhar氏は、今週はコロナ感染拡大による燃料需要への懸念が相場の重しとなっており、スエズ運河遮断や米ガソリン需要改善といった前日の支援材料はすでにあった燃料需要懸念を和らげないと指摘。「欧州がとりわけ注目されているが、インドやブラジルなど、持続可能な原油需要の伸びに不可欠な新興国でもコロナ感染者は増えている」とした。

インドでは24日、新型コロナウイルス感染症による死者が新たに275人報告され、今年に入り過去最多を記録した。

スエズ運河では24日、タグボート10隻が前日に座礁したコンテナ船の離礁作業にあたっているが、依然として他の船舶が往来できない状態は続いている。

関係筋によると、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国で構成する「OPECプラス」は4月1日に開く会合で、3月に続き減産幅をおおむね維持する見込み。世界的にロックダウンを再導入する動きが広がり、減産縮小が難しくなったため。

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