インド、感染拡大でも景気回復衰えず=中銀総裁

[ムンバイ 25日 ロイター] – インド準備銀行(中央銀行)のダス総裁は25日、多くの地域で新型コロナウイルスの感染が急増しているが、国内経済活動の回復は今後も「衰えない」だろうとの見方を示した。

総裁は、感染拡大は「懸念要因」だが、インドは備えができていると発言。ワクチン接種も進んでおり、昨年のような厳格なロックダウン(都市封鎖)は必要ない可能性があると述べた。

総裁は経済会議で「経済活動の回復が進んでおり、今後も衰えないだろう」とし「今回は新型コロナ感染症の影響に対する追加の保護手段がある」と述べた。

総裁は、暫定データに基づく2021/22年度の経済成長予測(10.5%)の下方修正は予想していないと発言。最終予測は金融政策委員会の見直しを経て来月7日に公表される。

インドでは24日の新型コロナ感染者が5万3476人と、昨年10月23日以降で最多を記録した。累計の感染者は1180万人で、米国、ブラジルに次いで世界で3番目に多い。

総裁は、国債のイールドカーブの秩序ある動きが重要だと改めて強調。無秩序な動きがあれば、景気回復が阻害され、企業の借り入れコストが上昇する可能性もあると述べた。

政府は2月初旬に予想を上回る借り入れ計画を発表しており、債券利回りは上昇傾向にある。

総裁は公開市場操作などを通じて市場を支援し、借り入れ計画の円滑な実行を支援すると改めて述べた。

外貨準備と為替介入については、通貨の安定のみを目指していると発言。インドが大量の資金流出に見舞われた2013年の「テーパータントラム」(緩和縮小をめぐる市場の混乱)のような事態を回避するため、外貨準備を積み増していると述べた。

インドの外貨準備は5820億4000万ドルで、世界4位。

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