スエズ運河の座礁船、離礁作業再開 石油タンカーなど足止め継続

[カイロ/ロンドン 26日 ロイター] – 世界の海上輸送の要衝であるエジプトのスエズ運河で起きた大型コンテナ船「エバーギブン」の座礁事故で、スエズ運河庁は26日、多量の土砂を取り除く作業が行われた後、タグボートを使った離礁作業が再開したと明らかにした。

これに先立ち、エバーギブンの管理会社べルンハルト・シュルテ・シップマネジメント(BSM)は離礁作業が失敗に終わり、船首近辺にある土砂を取り除く作業に焦点が当てられていると話していた。

BSMによると、28日にはオランダから新たに派遣される2隻のタグボートが投入される計画。

エバーギブン(全長400メートル、総トン数22万4000トン)は23日、運河をふさいぐ形で座礁し、南北両方向とも通航できない状態が続いている。

BSMによると、座礁を巡る初期段階の調査によると、強風が原因で、機械やエンジンの故障ではないとみられている。

リフィニティブのデータによると、23日以降、スエズ運河の航路遮断によって30隻以上の石油タンカーが南北の入口周辺で足止めされている。

データ情報会社Kplerのデータでは、液化天然ガス(LNG)を積載したタンカー6隻もスエズ運河への進入待ち、1隻が運河内で待機状態になっている。進入待ちの6隻が積載するLNGは計50万トンという。

遮断解消のめどが立たない中、原油相場は3%超上昇した。

ライスタッドのカルロス・トレスディアス氏は、1週間以内に復旧しても、運河の通航を待つ船舶で混雑しており「正常化には時間がかかるだろう」と述べた。

格付け会社ムーディーズは「たとえ事態が今後48時間以内に収束しても、すでに制約を受けているサプライチェーンでさらに遅延が生じるのは不可避」とし、とりわけ欧州の製造業や自動車部品メーカーが痛手を被るとの認識を示した。

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