USTR、重大な貿易障壁への対抗継続 過剰生産能力で中国批判

[ワシントン 31日 ロイター] – 米通商代表部(USTR)は31日、貿易障壁に関する年次報告書を公表し、米国の企業や農家の利益を損なう重大な貿易障壁と見なされる外国の措置に対抗し続ける方針を表明した。

また、鉄鋼・アルミニウム・太陽光関連などの産業における過剰生産能力の問題に世界で最も加担しているとして中国を名指しした。

報告書は「米国の成長機会や世界経済の公平性に対し、大きな政策上の課題をもたらす重大な障壁」に言及。

米政府として、デジタル製品・サービスや越境データに関わる政策、農業分野の貿易障壁を含め、米国からの輸出を妨げる多様な問題に各国政府と取り組み続けると表明した。

また、鉄鋼・アルミニウム・太陽光関連セクターにおける過剰生産能力の原因となっている中国の補助金問題の是正にも当たる方針を示した。中国政府が産業政策「中国製造2025」の下で国内企業に多額の助成金を拠出することで、他の産業にも深刻な生産能力過剰が起きかねないと指摘した。

各国がバイデン政権の通商政策に注目する中、USTRは報告書で、貿易障壁や他の規制措置を課し、米企業のアクセスを限定する中国など諸外国に対抗し続けると表明。タイUSTR代表は米国の輸出拡大を阻む外国の貿易慣行に強硬な姿勢で臨み続けるとした。タイ氏は先に、同盟国とのさらなる協力に向けて取り組むと約束していた。

報告書は懸念事項として、インド、中国、韓国、ベトナム、トルコが課しているデータ規制、ロシアのソフトウエア規制、インドネシアのデジタル製品関税、多くの国が導入している原地調達率規制、オーストリア、インド、イタリア、スペイン、トルコ、英国による差別的課税措置を挙げた。

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