インドとパキスタンが極秘会合、カシミール地方の緊張緩和で

[ニューデリー 14日 ロイター] – 複数の関係筋によると、インドとパキスタンの情報機関は、領有権を争うカシミール地方の軍事的な緊張緩和に向け、今年1月にドバイで極秘会合を開いた。

両国はカシミール問題を巡って関係が悪化していたが、政府が裏ルートで交渉を再開。大掛かりなものではないが、関係正常化に向けたロードマップ(行程表)を数カ月以内に作成することを目指しているという。

関係筋によると、インドの情報機関である研究分析局とパキスタンの軍統合情報局がアラブ首長国連邦(UAE)の支援を得てドバイで会合を開催した。

インド外務省、パキスタン軍のコメントは取れていない。

ただ、パキスタンの著名軍事アナリスト、アイーシャ・サッディカ氏は「タイ、ドバイ、ロンドンでもハイレベル会合が開かれていると思う」と述べた。

両国には歩み寄りを模索する理由がある。インドは昨年以降、国境地帯で中国と対立。カシミール地方の軍事態勢強化は避けたいとみられている。また、パキスタンは経済が悪化し、国際通貨基金(IMF)の支援を受けており、カシミール地方の緊張を長期化させる財源が不足している。米軍のアフガニスタン撤退でアフガニスタンとの国境の安定を維持する必要もある。

元ロイターのジャーナリスト、マイラ・マクドナルド氏は「両国にとって協議しないより協議した方がよい」とした上で「おそらく難局を乗り切るための緊張状態の基本的な管理を大きく超える内容にはならないだろう」と指摘した。

ロイターが取材した関係筋や専門家は全員、74年にわたるカシミール問題を解決する大掛かりな計画はまだ存在しないとの見方を示している。

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