中国前首相の寄稿にも検閲、共産党創立100年控えネット統制強化

[北京 20日 ロイター] – 中国の温家宝前首相がマカオの週刊紙に寄せた追悼文を巡り、国内のインターネット各社がユーザーによるシェアを阻止していることが分かった。共産党の幹部党員に対する検閲行為として波紋が広がっている。

このほど亡くなった母親への思いをつづった文章が掲載されたのは発行部数が多くない「マカオ導報」。16日付で掲載され、翌日には中国の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」の公開アカウントに投稿されたものの、すぐに制限がかかった。

文章は日中戦争や文化大革命など中国の激動期における母親の苦闘に触れ、「私の考えでは、中国は公正と正義に満ちあふれ、人々の意思、人道、人の本質が常に尊重される国であるべき」との文言があった。ただ、現在の中国の政治環境に直接触れているわけではない。

中国共産党は7月の党創立100年を控え、このところインターネット上での歴史を巡る議論に対する統制を強めようとしている。

ユーザーが温氏の文章をシェアしようとすると、コンテンツがウィーチャットの規則に反しているとの通知が表示され、シェアができなくなる。これは中国では完全に記事が排除される一段階前の検閲措置。今のところ温氏の文章のどの部分が制限に抵触したのか不明だ。

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