≪医山夜話≫ (20)
夢のつぐない
若い頃、医者という職業を選択する前、私は不思議と同じ夢を見ては、翌朝になってもその内容を生々しく覚えていました。最初のころはあまり気にかけていませんでしたが、あまりにも同じ夢を頻繁に見るので、その原因について考え始めました。その後、医者か音楽関係の仕事か、どちらかを選択しなければならなかった時、かつての夢を思い出し、何の迷いもなく医者の道を選びました。不思議なことに、その日から私はあの夢を見なくなりました。しかし、その夢の中の情景は私の脳裏に深く刻まれているのです。
夢の中で、私は妻と息子を連れて、戦乱の中、大きな荷物を担いで走っていました。途中、体中血まみれで動けなくなった負傷兵や貧しい流民が私に手を伸ばし、「先生、先生! 助けて、助けて! 」と叫んでいました。しかし、戦闘が激しさを増す中で私が考えていたのは、できるだけ早く家族を連れてそこを離れることでした。私を必要とする人たちに対して申し訳ないと思い、走りながら私の足はとても重かったのです。
私の診療所には様々な患者が訪れます。考えてみれば、運命の神が彼らを私のところへ連れてきたのかもしれません。私は彼らの肉体的な苦痛を軽減させ、精神的な苦痛も慰めながら、10数年が経ちました。ある日、私の診療所をバーバリーさんという女性が訪ねてきました。彼女は、私が繰り返し見ていたあの夢の謎を解くきっかけを与えてくれました。
関連記事
無糖茶は健康的に見えても、商品によってはナトリウムや添加物を含むことがあります。腎臓をいたわるために知っておきたい飲料の選び方、低ナトリウム塩の注意点、無理なく減塩するコツを紹介します。
夫婦の口論は、怒りのまま続けるほどこじれやすくなります。いったん距離を置く、呼吸を整える、非難を質問に変えるなど、関係を傷つけずに気持ちを伝える4つの方法を紹介します。
命を救う医療が、腸内細菌にも変化をもたらす可能性があります。アマゾンの先住民を追った研究から、治療の大切さとともに見えてきた、腸内環境を守るための新たな課題を紹介します。
眠気は自覚しにくく、判断力や運転能力を大きく低下させることがあります。唾液から睡眠不足を見分ける新たな研究とともに、睡眠が心臓や心身の健康に及ぼす影響を解説します。
胃がんで胃を全摘した男性は、食事の苦痛や衰弱に苦しみながらも、家族の支えと太極拳をきっかけに再び歩き出した。希望と使命を見つけるまでの10年の記録。