大紀元時報

「万物に魂がある」 死んだ恩人の弔問に現れた老ゾウ

2021年6月11日 13時56分
インド南部ケララ州の村で病死したゾウの調教師の葬儀に、弔問のため会いに来たのは、故人の「親友」のゾウでした。(写真は本文とは関係ありません)(Pixabay)(Pixabay)
インド南部ケララ州の村で病死したゾウの調教師の葬儀に、弔問のため会いに来たのは、故人の「親友」のゾウでした。(写真は本文とは関係ありません)(Pixabay)(Pixabay)

アジアゾウといえば、中国雲南省の森林にいたゾウの群れ10数頭が先日、なぜか省都・昆明の市街地まで「遠征」してきて大騒ぎとなり、人々の驚きを買いましたが、こちらの話題は、悲しみの中にもしみじみとした情愛を感じさせるお話です。

インド南部のケララ州にある村で6月3日、ゾウ調教師をしていたナールという男性がガンで死亡しました。ナールは、人生の全てをゾウとともに過ごし、村の誰からも尊敬されるゾウ使いの名人だったのです。ナールが、生涯をかけてゾウの調教をした歳月は60年にも及びます。

そんな人徳者であったナールの葬儀は、村を挙げての盛大なものになりました。悲しむ遺族の泣き声が響くなか、25キロの道を歩いて葬儀に駆け付けたのは、なんと年老いた1頭の雄ゾウでした。

人をかき分けて入って来たこのゾウは「ブラマダタン」という名前で、生前のナールが最近の25年間ずっと調教してきた、最も気の合う相棒だったのです。毎年の村祭りでは、ナールはいつも華やかに装飾されたブラマダタンに乗って登場し、村民の喝采を浴びました。

そんな気の合う「二人」が、最後に姿を見せたのは今年の4月23日です。以来、離れていたブラマダタンが聞いたのは、恩人でもある親友ナールの訃報だったのです。

「そんな訃報など、ゾウが聞いて分かるはずがない」と思わないでください。まだ火葬されていないナールが安置されている祭壇の前に来たこのゾウは、長い鼻を持ちあげて、逝きし友の名を呼ぶように、哀切きわまる声を発しました。それを聞いた遺族や村人から、ひときわ大きな悲しみの声が上がります。

「おお、万物に魂があるように、このゾウも、ナールの死を分かっているのだ!」。

(翻訳編集・鳥飼聡)

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