一部報道やアナリストによると、北朝鮮では為替レートや商品価格が乱高下しているようだ。大規模な対中貿易が再開しておらず、食料不足が深刻化しているという。写真は北朝鮮の国旗。北京で2016年1月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

北朝鮮で為替・商品価格が乱高下、国境封鎖が響く=報道

[23日 ロイター] – 一部報道やアナリストによると、北朝鮮では為替レートや商品価格が乱高下しているようだ。大規模な対中貿易が再開しておらず、食料不足が深刻化しているという。

中国の北朝鮮向け輸出は、年初は着実に回復していたものの、5月の輸出は271万ドルと、4月の2875万ドルから急減。新型コロナウイルス対策の一環で導入された国境封鎖が近く緩和されるとの貿易関係者の期待に水を差す形となった。

北朝鮮国内の状況を外部から把握することは難しいが、今週の一部報道によると、中国は新型コロナ対策の国境規制を少なくともあと1年継続することを計画しており、北朝鮮経済の見通しが悪化している。

こうした事情を受けて、一部の地域では為替レートと主要商品の価格が乱高下しているようだ。

北朝鮮経済の専門家、ピーター・ウォード氏は「対外貿易の状況を受けて、燃料価格と為替レートが変動する可能性が高い」と指摘。

ソウルを拠点とする北朝鮮情報専門サイト「デイリーNK」は22日、北朝鮮ウォンがドルと人民元に対して約1週間で15ー20%値上がりしたと報じた。

予想されていた中朝貿易の再開が実現しておらず、北朝鮮の組織・個人が保有するドルと元を売却したことが一因とみられるという。

また、デイリーNKによると、平壌など一部の主要都市では、政府の配給でトウモロコシとコメの価格が値下がりしているが、他の一部の地域では基本的な物資の価格が急騰しているという。

北朝鮮専門サイト「NKニュース」は先週、一部のシャンプーが1本200ドル、バナナ1キログラムが45ドルで販売されていると報じた。

ウォード氏は「アジア・プレスとデイリーNKの報道によると、一部の主要都市以外では、食糧事情が非常に悪い」とし「こうした傾向が続けば、貧困層の飢餓を懸念し始めなければならない」と述べた。

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